まさか俺が異世界に転移してしまうとは

@sakumera8

第1話

高校2年生の春の帰り道、俺を呼ぶ声が聞こえた。後ろを見るとそこには、俺と同じクラスメイトの優太がいた。

「待ってくれ健斗。なんで先に帰るんだよ。」

と優太が息を切らしながらそう言った。

「別に一緒に帰るとは約束してない。それにお前は俺ではなく、俺の兄に用事があるんだろ。」と俺はそっぽを向いて言った。

俺の兄は今大人気の漫画を書いていて、その兄のファンである優太は毎日のように俺の家に来る。俺はあまり好きではない為、2人の話にはついていけない。

家に入ると玄関に、金髪ロングでとても胸が大きくそして顔がめちゃくちゃ可愛い等身大人形を抱えた男が立っていた。これが俺の兄だ。

兄は自分の漫画のヒロインが好みらしく、毎日のようにこの人形を持っている。俺は正直引いているまあ、兄がその漫画で稼いでくれているおかげで親を早くに亡くした俺たちが暮らす事が出来ているから、感謝はしている。

そしていつもの様に兄の漫画の良さをアピールされながら1日を終えた。何故かその日は自分の漫画を俺の部屋に持ってきた。俺はその本を数ページ読んでみたが、急に眠気に襲われそのまま寝てしまった。


朝目を覚ますと、そこには大自然が広がっていた。俺は昨日部屋のベッドで寝たはずだった為、混乱していた。困っているとそこに、とても見た事がある女性がやって来た。金髪ロングの綺麗な人だった。

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