La Maledetta②
6-1
「クリスだったらこんなとき絶対十字を切るのに」
→カトリックは十字を切るけど、プロテスタントは切らないので、おそらくまだ習慣が身についていないだけでは。切っていたらそれはそれでマズいことになっていたかもしれないが。
6-5
「
→キューピッドはギリシャ神話の恋の神サマ。外見はそっくりですが。
「アサリア」
→天使の一人。正義を司る天使とされ、ラファエルの下にいる美徳の天使ともされる。
名前は「神の行為」または「神の治療」という意味。
「インスタント麻酔薬よ」
→instant anesthetic. 医療スラング。暴力をふるうなど危険な患者から緊急医療サービスのスタッフが身を守るために使う(=殴る)ための道具のこと。頑丈な懐中電灯など。
「ウリエル様だってヤコブの股関節を脱臼させた」
→旧約聖書『創世記』でヤコブが天使の一人と格闘して「ヤコブのもものつがいにさわったので~もものつがいがはずれた」ことを言っている。
どの天使かについては諸説あり、ラファエルがそれだという説もありますが、あとで脱臼を整復しているのがラファエルなので、「自分で外しといてシレっと自分で治すか?」という思いがあり、ここではウリエル説を採用(笑)。
「神の猟犬」
→人狼は一般的に悪魔的とされるが、こういう呼称をする一派もいた、というネタから。
「一九五〇年にピウス十二世が警察も任せた」
→ミカエルはもともと兵士や菓子職人、ドイツ・フランス・ウクライナ・イスラエルの守護天使。
「ジャン・ボダンみたいな」
→ジャン・ボダン(1529/30~96)は近世フランスの法学者で魔女裁判の判事。「魔女と悪魔の実在を疑う者こそ悪魔の手先である」とする『悪魔憑依考察』を著し魔女裁判に影響を与えた。
7-1
「法律の勉強の大半は…」
→イギリスの作家ドリス・レシングの言葉「大学では教えてくれませんが、法律の勉強の大半は、愚か者に対して寛容な気持ちで接することができるように訓練することなのです。」
7-2
「あの若さで未婚の母で」
→ラ・ヨローナはもともとメキシコの伝説で、中南米からアメリカ中西部の一部の州にも伝承が広まっている。子供までもうけた恋人が別の女と結婚したショックで自分の子供を殺害し、逃亡するが捕えられて処刑される。その後怪物として甦り、男性を罠にかけて殺すようになった妖女。
「肉体に刺さった
→パウロの『コリント人への第二の手紙』第12章7節
「そのために私は、高ぶることのないようにと、肉体に一つのとげを与えられました。それは私が高ぶることのないように、私を打つための、サタンの使いです。」
ここでは「自分を苦しめるもの」的な意味。prickも「ちくっと刺すもの」でペニスのスラング。聖書を読んでいないディーンは(以下略)。
しかしこの話、聖書に次いでやたらと下ネタ多いなあと思われましたら、「作者がそういう人間なんです」と言うしかないです…。「だからそう言ったじゃないか」。
「もし自制することができないなら」
→パウロの『コリント人への第一の手紙』第7章9節
「もし自制することができないなら、結婚するがよい。情の燃えるよりは、結婚する方が、よいからである。」
「母は父と別れようとしていましたし、父も……ひょっとしたら自分の体を自由にしたことがないとはいえない」
→『マタイによる福音書』第19章6節
「彼らはもはや、ふたりではなく一体である。だから、神が合わせられたものを、人は離してはならない。」
さらに、
『コリント人への第一の手紙』第7章4節
「妻は自分のからだを自由にすることはできない。それができるのは夫である。夫も同様に自分のからだを自由にすることはできない。それができるのは妻である。」
プロテスタントは宗教的に離婚は自由なのですが、福音派だと言った通り聖書に忠実な一面があるので…。
自分で書いていて何ですがこの二人の会話書いててめっちゃ疲れました。そしてメモを捨てたので探し出すのに一番苦労した。
「死人も飛び起きる」
→スラング。loud enough to walk the dead “死人も目を覚ますほどやかましい”。
「
→アメリカでボビー・ヘンダーソンが公教育批判のために創設したパロディ宗教(の、創造主)。
7-3
「これが心の中で姦淫を犯したことと同列扱いに」
→『マタイによる福音書』第5章28節
「誰であっても情欲を抱いて女性を見るものは、すでに心の中で姦淫を犯している。」
「七つの大罪」
→キリスト教において罪の根源とされる7種類の悪しき感情、欲望などを指す。一般的には「傲慢」「嫉妬」「憤怒」「怠惰」「強欲」「暴食」「色欲」の七種が数えられる。
「三つは確実に」って何を想定してるんだろう…確実なのは「傲慢」と「憤怒」、あと「強欲」か? (時間差で)奥さん二人いたから「色欲」でも?
8-1
「Quid pro quo」
→ラテン語で「代償物、報酬、しっぺ返し」。
「香部屋だ」
→ディーンがずっと「祭具室」と言っている部屋の正式な呼び方。ミサに必要な物などをしまっておくところ。
「グランディエみたいな司祭でも、アグリッパみたいな魔術師でも」
→ユルバン・グランディエとコルネリウス・アグリッパ各位の人物像と業績については私の注釈などより大量のネット情報が出ているためそちらを参照ください。
別に誰でもよかったのでしょうが、魔女狩りでボダンときたらグランディエかなー、と。
「
→ミューズはギリシャ神話の芸術の女神。
リャナン・シーはアイルランドの女妖精。男性の詩人に、インスピレーションを与える代わりに死へ
「私の腰の炎が」
→上で「少女趣味が」と言っているのに掛けて、ナボコフ『ロリータ』より、「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。」。
「冷たいのには慣れている」
→魔女はサバトで悪魔と交わると言われており、悪魔の性器は冷たいとされていることから。
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