初っ端から何を言うんだ、と思われるかもしれませんが、実は私、スポーツものは読みません。
理由としては、そこまで私が運動が好きじゃないということ。スポーツものを読んでも、空気感に置いて行かれるのでは? 気持ち的には、友達の好きなアーティストのライブに来たけど、一曲も知らないから上手く乗れない。なんか自分が場違いな気がして申し訳ない……という感じです。
ここまで前置きすれば十分かと。この「Seconds-2400秒にかけるものたち-」という作品には私、乗れております。
この作品で行うスポーツは、バスケ。バスケなら多少わかる!! 何故なら私は小学校の時に選手に選ばれたことがある……。
しかしそれも付け焼き刃の知識に過ぎない。連載始めました~、という作者様の投稿を見た際、フォロワー様の作品には置いて行かれたくない私。すぐに読もう、という決心をしました。ですが、置いて行かれないか、という不安もありました。
ですがこの作品、面白くて分かりやすい。
試合の時の臨場感、空気感、目を見張るものがあります。
何よりスポーツ弱者の私にとって、単語集があるのはとてもありがたい。分からなくなったら見返しましょう。
何よりスポーツだけでなく、人間関係もきちんと描かれている。個人的には「閑話 第5.5Q ある男の決意」が好きです。
まだまだ始まったばかりのこの作品。今後どうなっていくかがとても楽しみです。スポーツ? よく分からないな……という人も大丈夫です!! 皆さん、追いつくなら今ですよ~!!
まだ序章も終わっていないうちからのレビューになります。
この作品は中学バスケで不燃焼だった夜野が、日本代表に選出されずに燻って引退した桝田と出会って、高校時代をスタートさせる――スポーツモノの王道的なストーリーです。
描写はとても上手く、商業作品と比しても遜色ありません。やや人物の外見、背景といった視覚情報が足りないかなと感じる部分もありますが……ところがどっこい、圧倒的な心理描写でバスケの臨場感を演出します。
作品もスタートを切ったばかりですが、これは間違いなく、注目すべき作者さんであり、また作品です。
※レビュータイトルは、海外留学制度の『スラムダンク奨学金』のキャッチコピー、「高校では終われない、君へ」から援用しています。