陳平、楚の上卿となり、のち漢に降る
陳平はかたく已前にその兄の伯に謝して、少年をしたがえて往きて魏王・咎に臨濟につかえました。魏王は陳平を
しばらくあって、
項羽は東にゆきて彭城に王となりました。漢王は還りて三秦を定め東へいき、殷王・
項羽はそこで平を信武君となし、魏王・咎の客の楚にあるものを
項王は怒り、まさに殷の
そして平は身をひとつで間行し(密かにゆき)、剣を杖としてにげました。船人はその美丈夫にしてひとりゆくを見て、その亡將であることを疑い、要(腰)中に金玉・宝器が有るはずだと、これを目をつけ、平を殺そうとしました。平は恐れ、そこで衣を解いて
河を渡り、平はついに
漢王は召して入れました。
この時、
漢王はおっしゃいました。
「罷めて、舍につくがよい。」
陳平は申しました。
「臣は事のために來たりました、言うところはもって今日を過ぐべきにございません。」
ここにおいて漢王はともに語りて陳平をよろこび、問うておっしゃいました。
「子が楚に居たとき何の官であった?」
陳平は申しました。
「都尉たり。」
この日、すぐさま陳平を拜して都尉となし、
陳平をして護軍をつかさどらせて、諸將を監しまもらせたとのことです。
諸將はことごとく
「大王は一日、楚の亡卒(逃げた卒)をえて、いまだその(位の)高下を知らないのに、しかるにすぐさまともに同じく
漢王はこれを聞き、いよいよますます陳平を
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