項羽、関中に入る、范増、劉邦の気を望む
さて、あるものが
「秦の富は天下に十倍し、地形は強うございます。聞きますに、
今、項羽が来たれば、沛公は恐らくはこれ(関中)をたもつことができないでしょう。
急ぎ兵で
沛公はその計を
しばらくして項羽が關(関所)に至りましたが、關の門は閉ざされていました。項羽は沛公がすでに関中を定めたと聞き、大いに怒って、
さて十二月、項羽は進んで
沛公の
「沛公は関中に王でありたいと思っています。
そしてその密告で
この密告を聴いた項羽は大いに怒り、士卒を
この時にあたり、項羽の兵は四十萬で、百萬と号し、のちの
沛公の兵は十萬で、号して二十萬とし、
「沛公が山東に居たとき、財貨に貪欲で、美姬を好んだ。今、關に入るに、財物を取るところがない。婦女は幸いするところがない。これはその志が小にないのだ。吾が人をしてその氣を望ませたところ、みな龍虎とし、五采を成すとした。これは天子の氣である。急ぎ擊って失うことがないように」
楚の
「ともに死ぬな!」
張良は申しました。
「臣は韓王のために沛公を送っている。沛公に今、急があるのに、
張良はすぐさま入って、つぶさに沛公に告げました。沛公は大いに驚きました。
張良は申しました。
「公の士卒をはかるにそれらで項羽にあたるに足りますか?」
沛公は
「もとよりしかざるなり(相手にならない)。まさにこの事態をどうするべきだろう?」
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