閻樂、二世皇帝を襲撃す、馬と鹿
さて、
「馬にございます」
二世皇帝は笑って申されました。
「丞相は誤っておるのではないか、鹿をいって馬とするのか?」
あるものは黙りこみ、あるものは馬といって趙高に
趙高はそこでひそかにその中でこれを鹿といったものを法にかけました。理由をつけて殺したわけです。
この後、群臣はみな、趙高を
趙高はさきにしばしばいいました。
「關(関)の東の
八月、
軍が関中についに入ったわけです。
趙高は二世皇帝が怒り、誅がみずからの身におよぶを恐れ、そこで病と謝し、朝見しなくなりました。
二世皇帝は夢に白虎がその左の
「
二世皇帝はそこで
趙高はおそれ、そこでひそかにその婿・咸陽令の
「上(二世皇帝)は、諫めを聴かれない。今、事は急であるのに、わざわいを吾れに帰そうとなされる。上を
そこで郎中令をして內応をなさせ、いつわりて大賊があるとさせました。
閻樂に吏を召し卒を発せさせて、二世皇帝を追わせ、閻樂の母をさらって趙高の舍に置きました。
閻樂に吏卒・千餘人を
「賊がここに入ったのに、どうして止めないのだ?」
衛令は申しました。
「
閻樂はついに衛令を斬り、直ちに吏を
行くごとに郎、宦者を射ました。郎、宦者はおおいに驚き、あるものは走ってにげ、あるものはたたかいました。たたかったものは死に、死者は数十人となりました。
郎中令と閻樂はともに入り、上の
二世皇帝は怒り、左右のものを召しました。左右のものはみな、
かたわらに宦者が一人、侍るものがあり、あえて去りませんでした。
二世皇帝は内へ入れ、いって申されました。
「公よ、どうして早くに我に告げなかったのだ、ここにいたってしまったではないか!」
宦者は申しました。
「臣はあえていいませんでした、そのために命をまっとうできたのです。臣が早くに言っておれば、みな、すでに
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