項梁と項籍
項籍という人、つまり項羽は、
その季父(叔父)が項梁で、梁の父がつまり楚將・項燕でした。項燕は秦將・王翦が殺したことになっています(包囲し、迫られて自殺したとの説もある)。
項氏は世よ楚將であって、項に封じられました。そのために項を氏としました。
項籍はわかい時に書を学びましたが、大成はせず、去りました。剣を学びましたが、また大成しませんでした。
項梁は項籍を怒りました。
項籍は申しました。
「書は、名と姓とを記すことができれば足るだけのものです!剣は、一人を敵とするもので、学ぶに足りません。
ここに項梁は籍に兵法を教えました。籍は大いに喜びました。ほぼその意を知ると、またはあえてついには学ぶようなことはしませんでした。
項梁はかつて
項梁はまた前述のとおり人を殺し、籍と仇を吳の中に避けました。吳の中の賢士大夫はみな項梁の下に出て交友しました。
吳中に大きな繇役や喪事があるごとに、 項梁は常に主辦(主弁)となり、ひそかに兵法で吳の賓客と子弟を部勒(指図)しました。このためにその能力が知られました。
秦の始皇帝が會稽に游び、浙江を渡ったときに、梁と籍とはともにそのゆくのを觀ました。
籍は申しました。
「彼に取って代わるべし」
梁がその口をおおい、申しました。
「妄言するな、族滅されるぞ!」
しかし梁はこのことで籍を奇重(尊重)しました。
籍は身長が八尺餘、力はよく
この時、桓楚は
項梁は申しました。
「桓楚は
項梁はそして項籍に剣を持って外に居るよう訓戒し、項梁は再び中へ入り、會稽郡守と
「請いますに、項籍を召して、命を受けて桓楚を召させましょう。」
郡守は申しました。
「
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