蒯通(蒯徹)、武信君に説く、趙の数十城降る
ここに範陽の人・
蒯通は范陽(範陽)令に説いて申しました。
「ひそかに公のまさに死なんとするを聞いて、そのために
そうではありますが、公が蒯通をえて生きんことを賀します。」
范陽令は申しました。
「どうしてこの事態を弔うのだ」
蒯通はこたえて申しました。
「秦の法は重いものでした。足下が范陽令となって十年になります。人の父を殺し、人の子を孤児にし、人の足を
今、天下は大いに
今、諸侯は秦にそむき、武信君の兵はまさにいたろうとしております。そうであるのに君は堅く范陽を守っており、少年(若者)はみな君を殺し、武信君に下ろうと爭っております。
君よ、急ぎ臣を武信君にまみえさせなさい、
そして蒯徹は武信君に説いて申し上げました。
「足下(武信君)は必ずまさに戦って勝って後に地を攻略しようとされるであろう、攻めてしかる後に城が下る、臣はひそかにこれはあやまっているとおもいます。誠に臣の計を聞かれれば、攻めないで城をくだすことができるでしょう。戰わないで地を攻略する。
注によると、
武信君は申しました。
「何のことであるか?」
徹(蒯通)は申しました。
「範陽令の
武信君は申しました。
「
そこで車・百
燕、趙の人はこれを聞き、戦わないで城ごと下る者が三十餘城ありました。
燕の人も、趙の人も、秦には痛い目に遭わされ、反感もあったでしょう。それを上手に用いて、城を攻略したわけです。
ここに、秦の支配力の及ばない地域が急速に増加していきます。それは反乱側に勢いをつけることになったでしょう。
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