チラシの裏に書き綴る

2022/10/15(土): 日替わり定食

学食や社食、街の定食屋さんで時々目にする「日替わり定食」。

中には更に進化して、「Ａ定食/Ｂ定食」のように2種類用意されている場合もある。

この「日替わり定食」には優しさと幸せが詰まっている。

何も考えずに「日替わり定食を1つお願いします」と注文するだけで、毎日違うメニューが食べられるのだ。

連日の深夜残業からの終電が続き、生きるために働いているのか、働くために生きているのか、不毛な禅問答が始まり脳がプスプスと煙を上げ始めると、空腹になっても「一体何を食べたいのか？何を食べればいいのか？」と、食に対して思考リソースを割くことが難しくなってくる。買い置きしてあるプロテインバーやチョコレートと、カフェイン補給のコーヒーで済ますのもいい加減飽きてくる。

「日替わり定食」は、そんな代り映えのない退屈な日常の救世主だ。

スティーブ・ジョブズは毎日の着る服を制服化することで、決断するエネルギーを節約していたのは有名な話だ。日替わり定食を頼む度に、あたかもスティーブ・ジョブズと同じステージに立てた気になる。

脂ののった鯖に生姜と味噌が絶妙に絡んだ鯖みそ。ご飯がすすむ豚の生姜焼き。山椒がピリリと効いた麻婆豆腐。「今日の日替わり定食は何だろう？世界各国の日替わり定食を集めたサブスクがあったら楽しそうだな」と妄想しながら、今日もプロテインバーをコーヒーで流し込む。