ネコと僕

6話：結末

家に帰るとすぐ、ネコが出てきた。

相田さんが手を広げると、さっきとは違って簡単に抱き上げられる。

「やった！」

「おめでとう」

軽く拍手をする。

「でも…不思議だね」

「だよね」

ネコは、やはり満足した顔。

「お母さん、クロって変わってるね〜」

「そう？…あ、美香に懐いてるじゃない」

相田さんはニヤケながら話す。僕まで少し嬉しくなって、ニヤけてしまう。

「キミもありがとうね？」

「いえ…これは相田さんの頑張りによるものだと思うので」

「そんなことないよ！山野くんが助けてくれなかったら無理だったと思ってるよ？」

そう言うと、相田さんは手を出してきた。

「ありがとう」

出された手を握ると、相田さんからも握り返される。

「こちらこそ。クロもありがとう」

「にゃ〜ん」

ネコ…クロは、緩い鳴き声を返した。