第18話「ペルガ基地の戦い」
アベル達はピースオブジャスティスのペルガ基地代表の老人ラッカスを助け、ラッカスの案内でペルガ基地を目指す事に。
そして同じ頃、スペースドラゴン号の修理をしていたミッカはディザスター調査隊に捕まり囚われてしまった。
元々暗雲に覆われていて暗かったペルガだが、夜を迎え更に暗くなった。
松明の灯りだけを頼りに先へ進むアベル達。
「なぁ、ラッカスさん、まだ着かないのか?」
「ああ、もう少しだ。しかし……暗くなり過ぎても危険か……今日はこの辺りで一晩過ごそう。明日の朝出発しても昼までには着けるじゃろう」
「それ……まだ結構あるな……」
「まぁラッカスさんの言うことも最もだ。まずは飯にしようぜ!美味いもん作るからさ」
「だな……」
クルドは松明の火を貰い焚き火を始めると早速調理に取り掛かった。
「さてと……食材が限られてるからなぁ……」
だが、そこはクルドだ。
限られた食材で見事に料理を作ってみせた。
「ほら出来たぞ。まぁ、簡単なスープだけどな」
「おっ!美味そ〜!」
「うん、クルド君は料理が上手いな!」
「だろ?」
クルドの温かい料理は旅の疲れを癒やした。
翌日、アベル達は再び歩き始めた。
「よし、行くぞ!」
そこから更に数時間歩いたアベル達は遂に街を見つけた。
「見えて来たぞ、アレがペルガの最大の都市、クワドシティ……だった場所だ……」
「本当に……町ごと破壊されたんだな……あそこにペルガ基地が?」
「ああ……この辺りからはディザスターの調査隊がうろうろしてるから気を付けろ」
「ああ」
何処からディザスターが襲って来るか分からない。
アベル達は気を引き締めた。
ようやくクワドシティに辿り着いたアベル達は辺りを警戒しながら進んだ。
だが、ディザスター帝国の兵士達はそこら中を彷徨いていた。
「ダメだ……敵が多過ぎる……」
「こりゃ掻い潜りながら基地を目指すのは無理たまな……」
ジークとクルドが話していると……。
「だったら俺が囮になるからラッカスさんは2人を基地まで案内してくれ」
そうアベルは言い出した。
「何をバカな!死ぬぞ!」
ラッカスは止めるがアベルは飛び出して行った。
「おい!待て!」
「ああなったら聞かないな……」
「だな、ラッカスさん俺達は先に行こうぜ」
「お前達……仲間を見捨てる気か?」
「いや、アイツは死なない。信じて先に進むだけだ」
「お前ら……分かったよ。お前達がそこまで仲間を信じるなら私も信じよう」
「そう来なくっちゃ!信じるのが仲間だろ?」
「だな」
そしてアベルは……。
大きく息を吸って……。
「ディザスター!!お前らをぶっ潰ーす!!!」
大声で叫んでディザスターの兵士達の気を自身に向けた。
「何だアイツ……侵入者だ!!」
大勢のディザスターの兵士達が一斉にアベルを捕えようと襲って来た。
「へへっ、こっちだ」
アベルはディザスターの兵士達を引き付ける。
兵士達が一気に居なくなった為、その隙にジーク達もペルガ基地に一気に進む。
アベルも引き付けた兵士達に対し獣王拳を繰り出し次々に倒して行く。
「クソッ……何だこの強さは……ゼレス隊長に報告しなければ……」
1人の兵士が無線で隊長のゼレスに連絡する。
ディザスター第2調査部隊隊長のゼレスが兵士からの報告を受ける。
「何?クワドシティに侵入者だと?分かった。調査隊は引き上げさせろ。後は第6戦闘部隊に任せる」
「やれやれ……俺達の出番か……」
「ああ、部下を引き上げさせる。後は任せたぞスレイヴ隊長」
ディザスター第6戦闘部隊隊長スレイヴが椅子から立ち上がる。
「良かろう……野郎共!!戦闘準備だー!!」
「おおー!!」
数十名の兵士達が士気を上げ戦闘準備に入る。
「ああ、そうそう。捕らえた小娘だが……恐らくそいつらの仲間だ。好きに使ってくれ」
そう言ってゼレスは去って行く。
「フンッ……おうよ」
その頃、ジーク達はペルガ基地に到着。
「ここか……」
「ああ……だが、ペルガ基地の内部にはまだ多くの兵士達が待機しているはずだ。気を付けろ」
「関係ねぇよ……全部倒せばな」
ジークとクルドはそれぞれ武器の準備をする。
「うしっ!行くか!」
「ああ」
ジークとクルドはペルガ基地に突入。
入口に立っている2人の兵士を瞬殺し、ペルガ基地の中へ。
「す……凄い……」
アベルが追ってきた兵士を全滅させた頃……。
「ハァ……ハァ……」
「ほぉ、やるな……」
後ろから声を掛けて来た何者か……。
アベルが振り向くと……。
「お前は!?」
そこに立っていたのはバドスだった。
「ペンデ基地で会った時は大した事無かったが……お前結構強いんだな」
「テメェ……ペンデ基地での借り……返させて貰うぜ!!」
アベルはバドスに攻撃を仕掛ける。
『獣王拳·獅子の鉤爪』
アベルの技が炸裂。
だが……。
「おいおい……その程度か?」
「くっ……」
バドスには全く効いていなかった。
今度はバドスの反撃。
重いパンチの一撃がアベルを襲う。
「ぐっ……」
「おら!おら!おら!……いつまで耐えられるかな?」
バドスはアベルに連続でパンチを叩き込む。
そして、ペルガ基地で戦うジーク達は……。
兵士達を次々になぎ倒していた。
「ケッ、手応えがねぇな……先に進むぞ」
「待てって……今弾の補充してるから……」
クルドは弾丸の補充をしていた。
「弾?お前使ってるのレーザー銃じゃ無かったか?」
「賞金稼ぎはターゲットによって武器を変えるんだ。確実に獲物を捕らえる為にな。今回は実弾の方が良いかと思ってな」
「ふーん……」
「テメェらか、基地内で好き勝手に暴れてるってのは……」
「あん?」
そこにやって来たのは第6戦闘部隊の隊長スライヴだった。
「お前は?」
「俺はディザスター第6戦闘部隊隊長のスライヴだ。お前達に見せたいモノがある」
「見せたいモノ?」
「おい!連れて来い」
「はっ!」
部下の兵士が連れて来たのは捕えたミッカだった。
「なっ!?ミッカ!?」
「おいテメェ……何してくれてんだ!!」
「ジーク?クルド?ごめん……捕まっちゃった……」
「テメェ!ミッカを放せ!!」
「そうは行かないな……お前達下手に動くなよ?一歩でも動けばコイツの命はないぜ?」
「くっ……」
「卑怯だぞ……」
「何を言う?戦場で捕虜は立派な武器になる……」
そう言ってスライヴはジークとクルドに近付く。
「まずは武器を捨てろ。さもないと……」
「くっ……」
ジークは愛刀『黒竜』を捨てる。
クルドも銃を捨てる。
「おいお前……もう1つ光線銃もあるんだろ?捨てろ」
「くっ……」
クルドは懐からマグナムXも捨てる。
「さて……じゃあ、楽しむか……殺しろよぉ!!」
スライヴはジークを殴り飛ばす。
「ぐっ!?」
「ジーク!?」
「次はお前だ!!」
今度はクルドを殴り飛ばす。
「ぐあっ!?」
「ジーク!?クルド!?」
「フフフッ……俺のグローブは宇宙一硬い金属ゴルドメタルで出来てる……今のたった一撃でも骨が砕けただろう」
「うっ……て……テメェ……」
「だが……まだ終わらせねぇぜ?」
スライヴはクルドの足を踏み付ける。
「くっ……」
「安心しろ……別に足には何も細工はねぇよ」
そう言ってスライヴはクルドを殴り付ける。
そう、足を踏み付ける事で動けなくしたのだ。
何発も何発もクルドの体にパンチが叩き込まれる。
それは一発一発が重く骨だけでなく内蔵にもダメージを受ける程の強力はパンチだった。
クルドは口から血を吐き気を失った。
「クルド!?」
ミッカは叫ぶ。
だが、クルドはピクリとも動かなかった。
「フンッ……死んだか?死んだら死んだってちゃんと言えよ」
「隊長死んだら喋れないっすよ」
「ん?そういえばそうだな。ガハハハハッ!!」
スライヴと兵士達は大爆笑。
「何が面白いのよ……」
「あん?」
「人が死んで何が面白いのよ!!」
「だって面白れぇだろ?無様に泣きながら死んで行く奴……必死に命乞いをしながら死んで行く奴……悲しみに暮れて何も言えず死んで行く奴……見てたら滑稽だろう?そりゃ面白いに決まってるぜ!」
「酷い……酷過ぎるよ……この人で無し!!外道!!悪魔!!」
「な〜に?ザコの戯れ言なんて聞こえましぇ〜ん?」
「ぶっ……はははははっ!?隊長面白過ぎますって!!戦闘中に笑わせないで下さいよ!」
「あっ、わりぃわりぃ…でも戦いは楽しくしないとな」
「もーう!隊長最高!!」
「くっ……」
ミッカは悔しさで唇を噛みしめる。
このままジークもクルドも……そしてアベルも……全滅してしまうのだろうか?
続く……。
銀河戦記 山ピー @TAKA4414
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