ペルガの決戦
第17話「惑星ペルガ」
スペースドラゴン号は惑星ペルガに向けて宇宙を突き進む。
操縦室にミッカがやって来る。
「ふぅ〜サッパリした〜」
ミッカは風呂から出て来た様だ。
「ミッカ、冷蔵庫にデザート作ってあるぞ」
とクルドが声を掛ける。
「え?本当!?」
「ああ、惑星トリケスで採れた果物を使ったゼリーだってよ!うめぇぞ!」
「うん、ありがとう……」
「ミッカ……トリケスの事気にしてるのか?」
「そりゃそうだよ……私たちだって後少し出発が遅かったら……」
「惑星トリケス……良い星だったんだな……」
「ああ、自然と人間が共存してる良い星だったよ」
「トリケスの人達や他の星の多くの人達の、為にも早くディザスター帝国をぶっ潰さないとな!」
「ああ!」
「そうだね!」
アベル達は決意を新たに固めた。
《惑星ペルガを捉えました。明日にでも到着出来ます》
「!遂に来たか……」
「あそこに……何があるんだ……」
「よし、明日の到着に備えて今日は早く寝よう。俺らもさっさと風呂入っちまおうぜ」
「だな」
アベル達は明日の到着に備えて早く風呂を済ませ眠る事にした。
そして翌日……。
スペースドラゴン号は惑星ペルガに近付いた。
「いよいよだな……」
「確かあの星にもピースオブジャスティスの基地があったけどディザスターに破壊されたんだよな?」
「ああ、そうらしいけど」
「一体何があるんだ?」
「さぁ?それを確かめに行くんだろ?」
「まぁな……」
アベルとジークが話して居る。
《間もなく大気圏に突入します。席に着いて下さい》
アベル達は座席に座り大気圏突入に備える。
スペースドラゴン号が大気圏に突入すると物凄い衝撃がアベル達を襲った。
それはペルガの特殊な大気の影響だった。
ペルガには暗雲が立ち込めその中には雷が発生していた。
その雷が空気中の放出され帯電していた所にスペースドラゴン号は入ってしまったのだ。
雷の電気エネルギーを受けたスペースドラゴン号はコントロールを失い急降下して行く。
「うわっ!?」
「マルツー!しっかりそうじゅうして!」
《分かってまるが……しかし……》
スペースドラゴン号は不時着。
「あ〜……助かった……」
「皆、大丈夫か?」
「ああ……何とかな……」
《システム……ショートしました……》
「マルツー!?」
マルツーは雷の電気エネルギーを大量に受け故障してしまった。
「マルツー、ちょっと待っててね……」
アベル達はスペースドラゴン号の外に出てみた。
「うおっ!?……この星デカいから重力重いな……」
アベル達は重力調整装置を使い、この星の重力に合わせる。
「よし、こんなもんか……さてと……」
外に出てみるとスペースドラゴン号は雷の直撃を受けた様で、所々に焦げ跡が出来ていた。
「酷いな……」
「マルツーもショートしちゃったし、私はここに残ってマルツーとスペースドラゴン号を修理しておくわ」
「そうだな。じゃあ、修理はミッカに任せるか」
「じゃ、俺達はペルガ基地に行くか」
「だな。ミッカ、船を頼んだぞ」
「うん、任せて!」
アベル達は1度船内に戻り必要な荷物を持ち出発の準備をする。
ミッカは自室から工具類を持って来て早速マルツーの修理に取り掛かった。
「よし……じゃあミッカ、俺達行って来るから頼むぞ」
「うん、気を付けてね」
ミッカはアベル達を送り出した。
調べた所、ピースオブジャスティスのペルガ基地まではまだ距離がある。
アベル達は食料や水を数日分持ち出発する。
この星の環境では小型宇宙船のスタースピーダー等では落雷を受けて危険の為、徒歩でペルガ基地を目指す。
「しかし……どの位掛かるんだ?」
ジークが尋ねる。
「さぁな……スペースドラゴン号がああなってなきゃ基地の近くに降りたからな……」
アベルが答える。
「まぁ、言ってても仕方ないさ。ミッカも修理したら迎えに来てくれるだろ」
クルドが2人に話し掛ける。
その頃ミッカの修理は……。
「あちゃ〜……こっちもコードが焼き切れてる……取替えないとダメね……こりゃ時間掛かるな〜……」
そしてミッカに近付く人影……。
歩き疲れたアベル達は休憩する。
「はぁ〜……人も居ないしまだ建物すら見えない……困ったなぁ……」
「このまま宛も無く歩き続ける訳にも行かないしな……どうする?」
「そもそも今何処に居るのかも分かんないしなぁ……」
そこに人影が……。
「あ……あの……」
「ん?」
振り向くとそこには1人の老人が。
「じぃさん……あんたこの星の人か?」
「ああ……旅のお方かい?すまないが少し水を分けてくれんかのぉ?」
「水?ああ、良いぜ」
クルドが老人に水を差し出す。
「ありがたやありがたや……」
そして老人は水を一気に飲み干す。
「おいおい……そんな勢いよく飲んで大丈夫か?」
「はぁ……すまん……助かったよ……」
「爺さん、ここは何処何だ?俺達、ピースオブジャスティスのペルガ基地に行きてぇんだけど……」
「何?ペルガ基地?あそこは辞めておけ。ペルガ基地は街ごと破壊されもうディザスター帝国の調査隊位しか残っておらんよ」
「ディザスターの調査隊?」
「ああ……あっ、申し遅れたな。ワシはラッカスと言う者じゃ。このペルガでピースオブジャスティスの代表をしておった」
「爺さんがピースオブジャスティスの代表!?」
「ああ……だがある日、ディザスター帝国の襲撃で全てを失った……仲間も家族も……」
「なぁ爺さん……いや、ラッカスさん、俺達はペンデ星のピースオブジャスティスから頼まれてこの星に来たんだ。ディザスターに襲われたって事は何か情報を掴んだからじゃないのか?」
「……」
ラッカスは答えなかった。
「ラッカスさん!!」
「娘と幼い孫を人質に取られとるんじゃ……」
「え?」
「お前達が2人を助けてくれたら話そう」
「本当か?」
「ああ……ワシは戦うには歳を取り過ぎた……だから娘と孫を助けてくれる人を探して彷徨っていたんじゃ……」
「それでこんな所に……」
「頼む!!あなた方に戦う力があるのなら!娘と孫を助けて貰えんか?」
アベル達は顔を見合わせる。
「分かった!俺達もディザスターと戦う為に旅をしてるんだ!ディザスターに困ってるなら協力するぜ!」
「ありがとう……街まで案内する。どうか宜しく頼む」
「おう!」
アベル達はラッカスの案内で街に向う。
その頃、ディザスター帝国では……。
兵士の1人がジャルガの元にやって来る。
「報告します!惑星ペルガの調査隊からペルガに侵入した宇宙船の乗組員を1名捕えたと報告が入りました。宇宙船の形状からして我々に歯向かっている連中と思われます」
「ん?ピースオブジャスティスか?」
「いえ、恐らくペンデ基地でバドス隊長が戦ったピースオブジャスティスの協力者達かと」
「そうか……なら、バドスの部隊を向かわせろ!」
「はっ!」
この報告の通りミッカはディザスターの調査隊に囚われていた。
そして、惑星ペルガに向けてバドス率いる第2戦闘部隊が出撃。
アベル達はラッカスの案内でペルガ基地に向かっていた。
ペルガで繰り広げられる決戦の行方は?
そして囚われたミッカの運命は?
続く……。
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