第16話「禁断の惑星破壊兵器」
ミッカはスペースドラゴン号を惑星トリケスに到着させ、アベル達の治療を依頼した。
その間、ミッカは街へ出て食料等を買っていた。
だが、同じ頃、ディザスター帝国は新たな兵器『ギガデルス砲』の開発に成功していた。
ディザスター四天王の1人、グワイツは実験の結果を皇帝に報告。
「皇帝陛下、惑星破壊レーザー砲、ギガデルス砲の実験は見事成功致しました」
「ご苦労だったグワイツ……それでどの星を消した?」
そう聞くのはディザスター帝国皇帝……。
の側近ビルゴだった。
「ビルゴ様!…あの……陛下は?」
「陛下は大変お忙しい身……これから外出させるから準備をされておられる。陛下にはワシから報告しておこう。下がってよいぞ」
「は、はぁ……」
「そうじゃ!陛下は数日間留守にされる。その間は勝手な事はせぬ様にな」
「はっ!承知致しました!」
その頃、ミッカはある程度買い物を終えスペースドラゴン号に帰ろうとしていた。
その道中大きな袋を抱えた二人組が……。
恐竜ハンターの2人だ……。
「後少しだ……慎重にな……」
「分かってますって……」
だが、突然袋が暴れ出した。
「なっ!?まさか!?麻酔が切れたのか!?」
「こ、こら!暴れるな!」
必死に袋を抑えつける2人。
だが、袋を破り一匹の恐竜が出て来た。
それはなんと肉食恐竜ティラノサウルスの子ども。
ティラノサウルスの子どもは逃げ出し街は大パニック。
「まずい!早く捕まえろー!!」
恐竜ハンター達はティラノサウルスの子どもを追い掛けるが全く捕まえられない。
そして近くにいたミッカに飛び掛かる。
「きゃぁぁぁっ!?」
そしてミッカが落とした袋の中から肉を見つけ食べ出す。
「……あ〜ビックリした……お腹空いてたのね……」
だがそこへ……。
「クソッ……大人しくしろ〜」
2人の恐竜ハンターがティラノサウルスの子どもを捕まえようとする。
「ちょっとあんた達!恐竜ハンターでしょ!こんな小さな恐竜をいじめるなんて許せない!!」
「黙れ小娘!!邪魔するならお前も……」
だがその時、自然エリアの方から恐竜の咆哮が聞こえた。
「……何だ?」
「何っ?」
すると自然エリアの方から巨大なティラノサウルスが街に現れた。
「うわぁぁぁぁっー!!」
2人の恐竜ハンターは逃げ出す。
「ちょっと待ちなさいよー!!」
ティラノサウルスが侵入し、街は更に大パニック。
「ヤバいヤバい!!」
ミッカもとりあえず逃げる。
ティラノサウルスは片っ端から街を破壊していく。
しかし、その様子は何かを探している様だった。
「そうか……あのティラノサウルスはきっと子どもを探してるんだ……じゃああの恐竜ハンター!」
ミッカは先程の恐竜ハンター達を探し始めた。
恐竜ハンター達もティラノサウルスから必死に逃げていた。
「クソッ……あの恐竜、子どもを取り返しに来やがった……つーか、逃げられて俺らの手元に居ないっての……」
そしてミッカが恐竜ハンター達を見つける。
「あっ、居たアイツらだ……」
ミッカは恐竜ハンターを必死に追い掛ける。
「待ちなさーい!!」
「うわっ!?何だ!?」
「さっきの小娘だ!?」
「あんた達のせいで皆が迷惑してるの!!ちゃんと責任取りなさーい!!」
「責任ってなんだよ!?もう恐竜居ないっての!!」
「兄貴!前前!!」
「え?」
恐竜ハンター達は勢い余って壁に激突。
「あんた達……バカじゃないの?」
ミッカが恐竜ハンター達に追い付く。
だが、ミッカも息切れしていた。
3人の元にティラノサウルスが迫る。
「あっ!見つかった!?」
「ぎゃぁぁぁっ!?く、喰われちまうー!?」
「自業自得よ。それが嫌なら子どもを返してあげなさいよ」
「んな事言ったって……逃げられちまったし……」
「だったら見つけて来なさいよ!!」
だが、そんな余裕も無くティラノサウルスが牙を剥いて襲い掛かって来る。
ティラノサウルスは誰かに撃たれた。
「え?」
「やれやれ……こんなに騒がしくちゃ寝てられないぜ……」
そこに居たのはクルドだった。
クルドは建物の屋上に立って銃を構えていた。
「クルド!」
「よぉ!何か訳ありみたいだな」
クルドが降りて来る。
「殺しちゃったの?」
「いや、麻酔銃で眠らせただけだ」
「そう……このティラノサウルス、子どもを探してるみたいなの……」
「子ども?」
「うん、それがね……」
その隙に逃げようとする恐竜ハンターの2人。
「ちょい待ち!」
ミッカが恐竜ハンター達の首根っこを掴む。
「あんた達の責任でしょーが!!」
クルドとミッカに捕まった恐竜ハンター達は縄で縛られ動きを封じられた。
とそこにこの星の警備隊が到着した。
「大丈夫ですか?」
「あっ、やっと来た……」
「おい、まさか殺してないだろうな?」
「大丈夫。眠らせてるだけさ」
「あの……このティラノサウルスの子どもがまだ街に……逃げちゃったんです」
「大体の話は聞きました。子どもの方は別働隊が捜索しています。それより恐竜ハンターは?」
「ああ、コイツら……」
「お前達は恐竜保護法違反により逮捕する。この星では相当重い罪だ。覚悟しとけよ」
「クッソ〜」
恐竜ハンター達は警備隊に連行された。
「ふぅ……私達が出るまでも無かったかもね」
「だな」
「所で皆は?」
「ああ、皆治療終わって寝てるぜ」
「そう!……良かったぁ」
それから3日後、アベル達はすっかり元気を取り戻した。
「トリケスの医学って凄いね〜。あの大怪我が3日で治っちゃうんだもん」
「だなぁ、正直もっと掛かると思ってたから助かったぜ」
その頃、トリケスに近付くディザスター帝国の艦隊。
「見てた……あれが惑星トリケスか……未だ恐竜が生息する希少な星だ」
そう語るのはディザスター四天王の1人グワイツ。
「科学兵器も良いが恐竜程のパワーを持った生物兵器があればそれはそれで面白い……陛下がお戻りになるまでは恐竜を兵器改造して暇を潰そう」
「グワイツ様、まもなく惑星トリケスに突入致します。衝撃にお備え下さい」
「ああ、分かった」
だがその時、ディザスター帝国から通信が入る。
「グワイツ様、ディザスター本部から連絡です」
「ん?」
「グワイツ、今何処に居る?」
皇帝の側近ビルゴだった。
「ビルゴ様……今惑星トリケスに向かっている所です」
「何っ!?惑星トリケス!?陛下からのご命令だ直ぐに戻って来い」
「え?しかし、私は恐竜を兵器改造しようと……」
「陛下のご命令だ。逆らえる訳なかろう」
「うっ……それもそうですね……全員直ちにディザスター本部に引き返すぞ!」
グワイツは皇帝の命令には逆らえず直ぐに引き返して行った。
惑星トリケスではアベル達の治療が終わり再出発の準備が進められていた。
そこに警備隊員がやって来る。
「君達、もう出発するんだって?」
「あっ、この前の……」
「逃げ出した子どもの恐竜は無事保護して親子共々自然エリアに返す事が出来たよ。君達の協力のお陰だ。ありがとう」
「いえ……私は何も……」
「これはせめてものお礼だ。持って行ってくれ」
そう言って警備隊員は食料や水を渡してくれた。
「わぁ!こんなに良いんですか?」
「ああ、君達のお陰で人的被害も出なかったしね」
「ありがとうございます。あっ、そういえばあの恐竜ハンター達はどうなりました?」
「ん?ああ、奴らは……恐竜の餌にならない様に頑張ってるよ」
「へ?」
その頃自然エリアでは……。
「ひぃぃぃっ!?来るな来るな!!」
ギリギリ届かない様な高さに吊るされヴェロキラプトルに狙われていた。
「悪かった……俺達が悪かったから……助けてくれ〜」
アベル達は惑星トリケスを出発。
「あーあ……俺も恐竜見たかったな〜」
「そうね、ペルガでの調査が終わったらまた来よ!」
「そうだなぁ」
だが、アベル達の入れ替わりでレーザー砲が惑星トリケスに向かった。
「えっ?」
惑星トリケスはレーザーが命中し、大爆発。
宇宙の塵となった。
「な……なんなの……?」
「まさか……ディザスターか?」
「後少し遅かったら俺達も……」
「なんて奴らだ……惑星1つを一瞬にして塵にしちまった……」
その頃ディザスター帝国では……。
「ギガデルス砲命中。惑星トリケスの破壊を確認しました」
「よぉし……またしても実験は成功。次はいよいよ実戦に配備するぞ」
「あ〜……惑星トリケスが……恐竜の星がぁ……勿体無い……」
グワイツはガッカリしている様子。
「次はいよいよピースオブジャスティスの基地のある惑星を破壊する全員戦闘に向けて備えておけ」
そう言ってビルゴは去って行った。
ディザスター帝国の作り出した禁断の兵器は巨大な惑星をも破壊出来るレベルまで完成していた。
続く……。
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