❹便秘(原因・改善法・痔)

 便秘……辛いですよね。

 お腹は張るし、食欲はなくなるし、肌荒れの原因にもなり得る。

 便秘で良いことはないでしょう。


 コツを掴んでスッキリするんっを目指しましょう!

 ※一般的に正常な排便回数は、週3回以上1日3回以下。個人差はありますが3日以上排便がなければ便秘といっていい状態です。また、出ていても少量で残っているような感じ(残便感)がある状態も便秘に含まれます。


 では、原因からお伝えしますね。大きく分けて4つあります。


【便秘の原因】

①弛緩性便秘(大腸の運動が低下)

 腸管の緊張が緩んでしまい、ぜん動運動が十分行われないため、大腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬くなる。女性や高齢者に多い。

≪原因≫運動不足、水分不足、食物繊維不足、腹筋力の低下、極端なダイエット


②けいれん性便秘(大腸の過緊張)

 副交感神経の過度の興奮によって腸管が緊張し過ぎてしまい、便が上手く運ばれずにウサギのフンのようなコロコロした便になるタイプ。

≪原因≫精神的ストレス、環境の変化、過敏性腸症候群


③直腸性便秘(直腸に便が停滞)

 便が直腸に達しても排便反射が起こらず、直腸に便が停滞してうまく排便できなくなるタイプ。

 高齢者や寝たきりの人、痔や恥ずかしさにより排便を我慢する習慣のある人に多い。


④器質性便秘

 イレウス、大腸がん、腸管癒着などの器質的な原因があり、消化管(小腸・大腸)に通過障害が起こるタイプ。血便、激しい腹痛、嘔吐などがあればすぐに病院へ。

 ※このような便秘の場合は下剤を使用してはいけません。(腸管に負担。穿孔する可能性も)


 以上4つが主な原因です。病気が原因の場合は便秘を解消しようとすると悪化することもあります。いつもと違う場合は恥ずかしがらずに病院に行ってみてくださいね。


 では、対処法をお伝えします。お通じは身体からの健康状態のサインです。

 スッキリとバナナ状のお便りを目指しましょう~。



①水分摂取

 水分量が少ないと便が硬くなり排出しにくくなります。こまめに水分を摂ることを意識してみましょう。朝に水や白湯などの水分をコップ一杯とる習慣をつけると、腸が目覚め活発に動き出すようになります。


 乳酸菌の入った飲料は腸内の善玉菌を増やす効果があり、腸内環境を整えてくれますよ。

 ハーブティーや玄米茶などのお茶(食物繊維やビタミン、ミネラルを豊富に含むもの)も腸活におすすめです。ただし、カフェインを含む緑茶や紅茶は利尿作用により水分が不足して便が硬くなる可能性があるので注意してください。

 ※ルイボスティー、ローズヒップティー、ハト麦茶、マテ茶などは良いです。


 ココアは食物繊維(水溶性・不溶性)を含んでいるので腸活に効果的です。

 甘酒は食物繊維やオリゴ糖が豊富です。最近はコンビニでも手軽に買えますね。



②食事

 規則正しい生活を送り、多すぎず少なすぎないバランスのとれた食事と栄養摂取を心がけましょう。朝ごはんはできれば食べてくださいね。(無理なく)

 下記のような栄養素を意識してとるといいです。食材は一例ですので他にもあります。


◎水溶性食物繊維(便をやわらかく、腸の通過をスムーズに)

 昆布、わかめ、こんにゃく、果物、キャベツ、オクラ


◎不溶性食物繊維(胃や腸で水分を吸収すると膨らみ、便通のかさを増やす)

 ゴボウ、きのこ、穀物、豆、玄米


※水溶性・不溶性はまざりあっていて分類があいまいなところがあります。間違っていたら本当にすみません。食物繊維は大事ってだけです。


◎発酵食品(腸の中の悪玉菌を抑え、腸内環境を改善する)

 ヨーグルト、味噌、キムチ、納豆、チーズ、ぬか漬け

 ※塩分注意なのです。


◎ビタミンE(腸の血流を増やし働きを促進)

 植物油、オリーブオイル、かぼちゃ、落花生、アーモンド、たらこ、卵黄


◎ビタミンB1(副交感神経を刺激し腸の動きを自動調整)

 玄米、ごま、大豆、豚肉、うなぎ



③マッサージ・ツボ押し(検索すると色々画像付きで出てきます)

 ・「の」の字マッサージ

 お臍を中心に大きく「の」の字を書くように時計回りにマッサージ。大腸の流れを助け、肛門へ移動させるイメージでゆっくりを行う。


 ・ツボ押し

 合谷や神門(手)、便秘点や大腸愈(背中)、天枢や大巨(お腹)、足裏の小腸~大腸~肛門のゾーンなど



④適度な運動・ストレッチ

 ・腸ひねり運動(お腹をひねったり伸ばしたりして刺激を与える。隙間時間に)

 ・つま先立ち(つま先で立つと自然に下腹部やお尻に力が入り鍛えられる)

 ・腹筋(いきむときに使うのが腹筋。便を押し出す力となる)

 ・ウォーキング(全身の血のめぐりが良くなる。背筋を伸ばしゆったりした呼吸を保ちながら)

 ・ヨガ(リラックス効果もある。便秘に効果的なのは猫のポーズなど)


④生活習慣を整える

 睡眠不足やストレスが排便に悪影響を及ぼす場合があります。少しずつ自分を労わった生活習慣に変えていけるといいですね。ストレスについては別の話で書きますが、自分なりの発散方法を見いだせると心が楽になりますよ。

 決まった時間にトイレに行くなど、排便習慣を整えることも大事です。そして、できれば便意をもよおした時は我慢せずに行けるといいですね。



⑤姿勢

 いきみやすい姿勢を心がけてみましょう。

 洋式トイレの便座に前かがみに座った姿勢は排便に必要な3つの力を有効に発揮できます(重力、便の移動、いきみ)


 以上が便秘解消の5つの方法です。


 どの話でもそうですが、運動、食事、生活習慣は大事です。生活を整えると自然に体調も整っていきます。仕事や学校で忙しいとそうもいかないのですが、悩みが減れば自然と心や時間にも余裕を持てるようになるかもしれません。

『腸活』と検索するとここに書いてある以上の情報が出てきます。排便習慣にお悩みがある方は取り入れやすいものからやってみてください。

(情報量が多すぎて書ききれないことも多々ありました。すみません)


 ここまでお付き合いいただきありがとうございます。どうかご自愛くださいね(*´-`)


 次の話は『不眠』です。睡眠は大事なので頑張ります~!



 最後に少しだけ痔について書いておきます。興味がある方は読んでみてください。



 便秘とともに発生しがちなのが『痔』です。

 便秘で肛門周囲の血管に負担がかかったり、固くなった便が肛門の粘膜を傷つける状態が続くと痔になってしまいます。

 痔は3つ種類があります。


 ①きれ痔(裂肛)

 肛門の粘膜が切れるのがきれ痔。

 硬くなった便によって傷つけられることによって起こります。痛みで排便を我慢すると余計に便が硬くなり傷を広げます。


 ②いぼ痔(痔核)

 肛門周囲の皮膚にいぼのような腫れがあるのがいぼ痔。

 便が出ずに長く便座に座っていたり、強くいきむと肛門を閉じる部分の血管がうっ血しいぼ状に腫れてしまいます。肛門内部にできるのが内痔核(出血あり、痛みほぼなし)、外部にできるのが外痔核(出血ほぼなし、痛みあり)です。


 ③痔ろう

 肛門の組織に細菌が入り込んで膿がたまり直腸と肛門をつなぐトンネルをつくるのが痔ろう。

 痔ろうの主な原因は下痢ですが、一見下痢に見えても背景に便秘が隠れているケースもあります。


 なかなか人に相談できず悩ましい痔。

 排便習慣が整うことで予防できますし、解消にも繋がります。もしもできてしまったら生活習慣の改善から始め、それでも治らなければ市販薬、生活に支障が出るようなら早めに病院に行ってくださいね。


 おまけまで読んでいただきありがとうございました! 風邪などひかないようにお過ごしください♪

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