絶望的なほど強い敵に立ち向かう勇気
- ★★★ Excellent!!!
ダークファンタジーの香り漂う現代ファンタジーです。
舞台は異世界ではなく現実。ただし吸血鬼と死闘が繰り広げられる世界。
まず作品全体を包み込むかのような、ダークな雰囲気がかっこいいです。
それは吸血鬼という圧倒的な敵の恐ろしさであり、主人公の少年『九竜朱仁』や仲間たちが抱える心の痛みでもあります。
バトルものですが、なぜ戦うのか? 命とは? 絆とは? といったテーマを深掘りしていきます。キャラクターたちの葛藤が、物語により一層、重みを与えていると言えるでしょう。
修行シーンや心理描写もしっかり書き込まれています。そしてバトルシーンも圧倒的。武器も体術もかっこいい。
といっても最強主人公がスカッと敵を倒したりは、絶対しません。
とにかく吸血鬼は、絶望的なほどに強いのです。圧倒的強者です。そこに立ち向かっていく勇気と決意は並大抵のものではありません。
安易な勝利ではなく、己と向き合う硬派なバトルを読みたい方におすすめです!!