私の最後の吐き出し砦

第1話 エゴの愛マスク

苦しい.....もがき、もがき、息を吸おうとするのに口から入り込むのは虚無、ハートの器に空いた穴を今まで必死に埋め立て世界から目を背けていたのに、ふと前を見ると一瞬で器は底から瓦解していく、あぁ苦しい苦しいよ.....せっかく器は満たされていたのに苦しいよ、だけど僕は知っている。

この苦しみを噛み殺して前を向かねば人は生きて行けないことを。

だけど僕には無理だ、辛い辛すぎる苦しすぎるんだよ.....たった一歩、たった半歩、足を踏み出すことがハートの器に深いヒビを入れていく、あぁ苦しい、あぁ悲しい、誰か僕を救って.....僕をスクイ上げて.....。

こうして僕は今日も後ろを見つめ続ける、自分のハートの器を守るというエゴの為に。