第5話 飛び降りた1/3
4月23日(金)
20時。
公式動画チャンネルに、待ちに待ったRose8枚目シングル『飛び降りた』のMVガ公開された。
発売日は2日に公式動画チャンネルで、5月24日だってお知らせされてる。勿論即予約した。10セット。いつもこんな感じ。使用用、観賞用、保存用、布教用、予備、予備の予備用……。
そしたら咲羅が、
「自分で買わなくてもあげるのに」
違うのよ。自分で買いたいのよ。推しにお金を貢ぎたいのよ。わかる?
「わかんない」
左様ですか……。
私と咲羅のやり取りはおいといて、今は『飛び降りた』の話。本来なら7枚目『失敗作なんていらない』と併せて2カ月連続リリースされるはずだった曲。
2部作って言っちゃってもいいのかな。いいよね。ファンの間ではそういう認識だし。
MVで棺に自分の写真を破り捨ててくシーンが炎上してましたけれども。曲調も歌詞も暗いからね、賛否両論ですけど。
良くも悪くも、滅茶苦茶印象的。物議をかもしたおかげで話題にはなったし。
私は好きだよ。たとえ、この曲がセンターだった白井翔ちゃんを追い詰めたとしても。
推しだったけどさ。1番の推しは咲羅だし。彼女が輝いてさえいれば、魅力的に映ってさえいれば満足なのよ。まあ、その曲で彼女は3列目のセンターでしたけど。それでも彼女が1番目立ってた、っていうのは
というか事実、咲羅が1番MVに映ってたし。SNSでもファンが不思議がってた。センターは翔ちゃんなのにって。
私にとっては不思議でもなんでもないけど。
だって、咲羅は曽田プロデューサーのお気に入りだから。
あ、叩いてないからね。言ったでしょ、一番の推しは咲羅だって。その次は、Roseリーダーの
おっと。また話が脱線してる。
2週間前から投稿された数十秒の『飛び降りた』MVのTeaser。もうホントにこの日を楽しみにしてたんだから。Teaser1では、誰かに手を引かれて走る咲羅の姿。T
easer2では花畑で花が舞う中、立っている咲羅以外のメンバーたちの姿がメロディーと共に公開された。
曲調は全然暗くなくって、7枚目とは正反対。明るくて未来への希望を感じさせる歌詞。「生まれ変わるんだ」「夢を見続けていいんだ」って、なんか泣けちゃう。
もしかしたら翔ちゃんの自殺未遂を受けて曲調を変えたのかもしれないけれど。そんなことどうでもいい。
出ることが全てだから。
概要欄に書かれたテーマは『生まれ変わる』。
期待に胸を膨らませながらMVを再生させると、まさかの暗い曲調。あれ、Teaserと全然違うな。
それでも続きを見る。ここで観るのをやめる、なんて選択肢、私にはない。
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