魔法生物管理局を追放されたので、夢だった魔法生物カフェを開いてまったり暮らします~なんか管理局長が土下座してきてるけど、そのポーズはグリフォン種に威嚇だと思われるのでやめた方がいいですよ~

作者 とてもつよい鮭

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★★★ Excellent!!!

正直、Web小説界で今も流行っている追放モノと自分は縁がないと思ってました。生理的に無理だとすら考えていました。

理由は単純。主人公が追放され残った者たちが報いを受ける展開(いわゆるざまぁ展開)があまりにその流れありきで繰り広げられるから。予定調和とでも言いましょうか。

主人公こそ世界で一番! それをわかろうとしない奴らは酷い目に遭って当然の悪者!

悪者が天罰をくらうのは確かにカタルシスがありますが、主人公を持ち上げるためだけにやってるという意図が透けて見えて気持ちが悪いなぁと、モヤモヤした気分になってしまってました。

しかし、そんな私が初めて夢中になった追放モノが本作『魔法生物管理局を追放されたので、夢だった魔法生物カフェを開いてまったり暮らします(以下略』なのです。

冒頭、魔法生物管理局に勤めるフィートは上司からクビを宣告されます。やれやれお約束だなぁとため息をついていると、どうやらこの上司、自分の作ったマニュアル偏重主義の専門家で、実際に魔法生物たちと命がけで触れ合って絆を深めてきたフィートを疎んじている模様。

……おいおいおいおい、いてほしくないのにいてしまうよね、こういう役人! こういう専門家!

マニュアルに従えと上司はフィートに言いますが、そもそも魔法生物は魔法が使える”生き物”のことであり、常にマニュアル通りに行動してくれるわけがありません。だのにこの上司、自分の権威を傘に着て実際の魔法生物を顧みることなくフィートを追放してしまうのです。魔法生物たちを汚い獣だと蔑みさえして、ろくな飼育環境を整えないまま。

個人的なことで恐縮ですが私、怪獣やモンスターといった空想の生き物が大好きです。ゴジラはもちろん、ドラゴンやスライムといったファンタジー世界ではお馴染みのモンスターも、みんな愛すべき存在です。

そんな空想生物をよくもないがしろにしやがって貴… 続きを読む