ぞんびの

結騎 了

#365日ショートショート 282

 あいつを確かに殺したと思った。


 死体が動くはずはないと、昨日まではそう信じていた。


 腐った肉から、意外にも芳しい香りがした。


 大きくて立派なイチモツだ。持ち主が死んでさえいなければ。


 セオリーを信じるな。噛まれてもすぐゾンビになるとは限らない。


 ショッピングセンターは格好の隠れ場だ。本当か?


 二発、頭を殴った。まだ目が合う。


 空気感染はあり得るのか。それが問題だ。


 まさかゾンビの語源をご存知ないとは。


 やれやれ、ゾンビの乳房に目が入ってしまった。死にたい。



「これは?」

「どうにかして読者の興味を惹きたい三流作家の、掴みの一行のネタ帳のようです」

「どれもいまいちだな」

「趣味が偏りすぎですね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ぞんびの 結騎 了 @slinky_dog_s11

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ