第24話 幸せに生きる

 冒険者の最高位であるSランクに認定されることになった。


 依頼されたモンスターを討伐し、商人の護衛を成功させて、指名手配された悪党を捕縛する。レイと一緒に出来る任務をこなしているうちに、いつの間にかそんなことになっていた。あまり実感はない。だけど、Sランクという名誉ある称号を、確かに私とレイは授与された。


 それで、その国の爵位を与えようという話も来ていた。だけど、そっちは拒否している。他国とはいえ、あまり王族や貴族などと関わるのは嫌だったから。


 私と同じく、レイも拒否した。


「セアお姉さまが辞退するのでしたら、私もそうします」

「そう」


 爵位の授与を拒否したことで、何か面倒な事になってしまったら逃げようと考えていた。だけど、特に何も言われなかった。なので、いつもと変わらず冒険者の活動を続けている。




 元婚約者や実家から連絡が殺到していた。戻ってくるようにという手紙だ。一瞬、実家には戻ろうかと考えた。精神が落ち着いた今、過去を振り返って改めて考えると自分勝手に振る舞っていたと反省したから。


 だけど、あの人達の現状を聞いて止めておくことにした。碌なことにならないと、ハッキリ分かってしまったから。このまま関わらないようにしておく方が良いだろうと判断した。


 私が居なくなった瞬間に貴族籍を除名して、私の現状を知った瞬間には除名を取り消したらしい。それから、好き勝手に吹聴しているようだ。自分達の都合が良ければ利用して、都合が悪くなった瞬間に見捨てる。そんな人達だから、戻っても良いことにはならないだろう。なので、今後も関わらないままでいいと思った。




「セアお姉さま、良さそうな任務がありますよ」

「そうね。その任務を受けましょう」


 いつものように今日も、パートナーであるレイと一緒に活動する。


 ギルドで任務を受注し、現場に移動して、仕事をこなす。それが終わればギルドに戻ってきて、報酬を受け取り完了。


 冒険者の仕事は忙しいが、穏やかな日々を送っている。とても幸せな日々を。

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私達は幸せになります~婚約破棄された令嬢は、追放されても逞しく生きていく~ キョウキョウ @kyoukyou

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