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2023年4月10日 15:11
こんにちは。ふうぅ。こうなりましたか。伊之介、雉女を口説きはしましたが、(傀儡子として睦みあったあと)雉女の心を癒やしたり、女として惚れさせたりとは、ほど遠いのが悲しき姿。伊勢物語のうたは、とても映えますね。「今度は笛を吹く勝蔵に向いた。彼の顔は半眼で心の内が読めなかった。――トントン……、と軽く床を踏む。自分に注目しろという催促だ。それでも彼の姿勢は変わらなかった。あえて無視しているのだ。そう思うと少し腹が立つ。」これは、勝蔵が、時の政権を批判する舞ゆえに、危ないうただ、と警戒心を抱きつつ、田舎ゆえ大丈夫だろう、と心を無心にしているのか。雉女が歳比呂に無体をされて、心配し哀れに思いつつ、傀儡女なら、とくだん騒ぎたてたり、声をかけたりする事ではないのだ……。と心を凍らせているのか、どちらなのかなあ、と想像しながら読んでいました。舞という芸術に心を捧げ、良き吹き手の笛に心を震わせていたのに、すっかり「世の中にすれた」今では、もう心を震わせないのです……。そう思い、受け入れる雉女が、逞しくなった、と同時に、哀れを誘います。
作者からの返信
コメント、ありがとうございます。強くなって自力で世間を泳いでいくのと、弱くて誰かに守られながら生きていくのと、どちらが幸せでしょうか……。守ってくれる人がいるなら、甘えて生きていくのが楽そうですが、ひとりになった瞬間に生きていけなくなります。強く自力で生きていけるのは最強ですが、それは孤独と紙一重。人生、ままなりませんね。
こんにちは。
ふうぅ。こうなりましたか。
伊之介、雉女を口説きはしましたが、(傀儡子として睦みあったあと)雉女の心を癒やしたり、女として惚れさせたりとは、ほど遠いのが悲しき姿。
伊勢物語のうたは、とても映えますね。
「今度は笛を吹く勝蔵に向いた。彼の顔は半眼で心の内が読めなかった。――トントン……、と軽く床を踏む。自分に注目しろという催促だ。それでも彼の姿勢は変わらなかった。あえて無視しているのだ。そう思うと少し腹が立つ。」
これは、勝蔵が、時の政権を批判する舞ゆえに、危ないうただ、と警戒心を抱きつつ、田舎ゆえ大丈夫だろう、と心を無心にしているのか。
雉女が歳比呂に無体をされて、心配し哀れに思いつつ、傀儡女なら、とくだん騒ぎたてたり、声をかけたりする事ではないのだ……。と心を凍らせているのか、どちらなのかなあ、と想像しながら読んでいました。
舞という芸術に心を捧げ、良き吹き手の笛に心を震わせていたのに、すっかり「世の中にすれた」今では、もう心を震わせないのです……。
そう思い、受け入れる雉女が、逞しくなった、と同時に、哀れを誘います。
作者からの返信
コメント、ありがとうございます。
強くなって自力で世間を泳いでいくのと、弱くて誰かに守られながら生きていくのと、どちらが幸せでしょうか……。
守ってくれる人がいるなら、甘えて生きていくのが楽そうですが、ひとりになった瞬間に生きていけなくなります。
強く自力で生きていけるのは最強ですが、それは孤独と紙一重。
人生、ままなりませんね。