平凡な町娘と高貴な位の騎士様・英雄様。
設定こそありきたりではありますが、作者さまならではの視点や切込みが随所にちりばめられ、伏線に関しても読み間違いを起こすようにトラップまでしかけられた当物語。
そんな二人がどのようにして他の登場人物との人間模様を描くのか、そこはお読み頂いてからのお楽しみですが、最後怒涛の展開はまた別の意味で読みごたえもあります。
序盤にあった話がこう言う形で生きて来るとは! と言った仕掛けもありますので、推理物を読まれる方も存分にお楽しみいただけること請け合いです。
そして当作者さまの作品全体に言える事ですが、長い作品が多いにもかかわらず中ダレが無いのでテンポよく読めるのも一つの魅力かと思います。
もしお時間ありましたら是非ご一読されるのをお勧めします!
ファンタジーが苦手な方でも十分に楽しめるのは保証します☆
正統派の恋愛小説ですが、新鮮も感じさせる作品です。
細腕繁盛記的な部分もあり、それがこの異世界を身近に感じさせてくれます。
途中に差し込まれる花屋の仕事がリアルで、ある意味読みどころかと思います。
「花屋は力仕事」と言う主人公は「一見」普通の女の子です。
ですがそこはデコスケさまの書く主人公。
感情豊かで、達観していて、ちょっとずれていて……何とも表現しづらい「デコスケさんらしい」独特の雰囲気を感じます。
そしてそれを取り巻くキャラクターたち!
毎回大量の花(幻視)を背負ってやってくる騎士団長も、完璧超人でないところが素敵です。
小さな、手の届きそうな世界で繰り広げられる、花びらをふりまくような可愛らしい物語をお楽しみください。