【3RD MOVEMENT】

　かくして、宮川春子は夜空に光り輝く流れ星となって、人々が見る空の狭さを思いながら瞬き燃え尽き――消えていった。

しかし、その星に焼かれた人々の目は元に戻ろうはずもない。今も彼ら・彼女らのまぶたの裏には、あの日輝いた星の影が焼き付いて、離れない。そうした人々にとって宮川春子とはどのような存在であったのだろう。星？　太陽？　彼女の名を耳にして、大半の人々はこう話すだろう。「ああ、あの早死にしたアーティストの～」。しかし、少なくとも。彼女と彼女に纏わる人々とを知る我々には、同じような言葉を弄することは許されないのであろう。