53話 タイミング悪く
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そーいえば....。
「あの、さ....。」
ふと俺は、彼女に質問したかった事を思い出し、口を開こうとした瞬間、タイミング悪く会議室の扉がガチャリと開いた。
「すみませんっ!!!会議が長引いてしまいました!!!」
扉が開くや否や、クリアファイルやバインダーなど会議資料と思われる荷物を抱えたままの山本さんがバタバタと入ってきた。
「?」
櫻崎さんと目が合ったが、なんてもないと首を振った。
まぁ、大したことじゃないし、今でなくともいいか。
そう思って、彼女に質問したかった話題をなかったことにした。
「「お疲れ様です。」」
「もう、本当にっ!お待たせしてしまって、申し訳ないです!!!」
すみません。すみません。
俺達が挨拶をすると、山本さんが眉をきゅっと寄せて、ペコペコと頭を下げて謝ってきた。
「大丈夫だ。俺らもさっき来たとこだし、そんなに待ってないから。」
「そうですか?」
「はい。それに、待ち時間も西野君とお話できたので、待ち時間も全然苦ではなかったですよ。」
櫻崎さんの一声に安心したのか、「なら良かったですぅー。」とへなへなと椅子に腰かけていた。
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「さて....。」
呼吸も整い、いつもの落ち着きを取り戻した山本さんが本題を切り出す。
「今日、先生方に来ていただいたのは、、、、」
その言葉から始まった山本さんの話に俺達はとても驚かされることになる。とは、この時まだ知る由もなかった。
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