25話 櫻崎絃葉、彼女は美少女である
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クラスメイトであり、隣の席の
彼女は、校内で人気No.1の美少女様である。
マロン色の長い髪、小さな顔、ぷっくりとそして赤く染まる頬、華奢な手足に、優し気な眉。
一番は、クリっとした大きな瞳。
学校での彼女の呼び名は、『お嬢様』『姫様』『美少女天使様』。どれも皆、崇め奉る神のような対象として彼女を敬称する。
それもそのはず。
彼女の家は、いわゆるお金持ちの上流貴族組。
簡単に言っても、『お嬢様』な家系なのである。現在、日本の経済を潤滑させる財閥は、大きく、4つに分けられる。
『貿易・国防の伊瀬早』
『芸能・芸術の白金』
『旅館・食の水瀬』
そして、これに並ぶのが、
『医療・教育の櫻崎』である。
櫻崎家と言えば、新生児から老人まで、急性期から慢性期までの幅広い医療を提供するを理念に、いくつもの病院を経営している大グループだ。また、教育にも力を入れており、中高一貫校とか付属の幼稚園を運営していたりする。彼女の祖父は病院の理事長をしていて、今の日本の総理大臣が心筋梗塞で倒れたときも治療に携わったとか。おそらく、家族ぐるみで医者の家系なのだろう。
確か、彼女の父親も医者で、病理研究所のお偉いさんだったと記憶している。
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噂では、中学まで、都心にあるザお嬢様学校に通っていたらしい。
高校は、どうして、こんな一般校に通っているのか、疑問ではあるが、今や、学校中の注目の的。
高貴な家柄以上に、彼女自身、容姿も、美貌に優れており、彼女が纏う気品のある陽気は、男性陣を虜にする。猫毛みたいに、細いさらさらとしたマロン色の長い髪は、丁寧に整えられ、教室に吹く風と共に、静かになびく。清楚感あるたたずまいに口調。
悪役令嬢のような陰湿さもなく、親しみやすい。
そんな、ラノベのヒロインみたいな人物が櫻崎絃葉なのである。
ただ、俺の性格的に、『お嬢様』とか『お姫様』とかいう、キラキラした類は苦手だから、他の男子どもが騒ぐ、心を癒してくれる女神様効果、みたいなものは感じられない。どんな金持ちだろうと、お嬢様だろうと、俺からしたら、ただのクラスメイトである。多分、これを雄大に話せば、
「はぁー。奏汰の青春は末期だ。」とかなんとか言って馬鹿にされるんだろうな。
言わないけど。
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―ガラガラガラ
1限目開始のチャイムにやや遅れて、
担任の藤原先生が教室に入ってきた。
「ほい。皆、おはよう。」
なにやら複数枚の印刷用紙を教卓の上に置いた。
「1限目は、、英語だが、取り敢えず、この前の中間考査の成績表返すぞー。
出席番号順に前に取りにこーい」
どうやら、俺達の担任の藤原先生が、自分の受け持ちの授業時間を使って、
先週やった中間試験の順位用紙を配るらしい。
雄大は、呻き顔を伏せる。
順位表、まぁ、俺の結果はいつも通りだと思うけど。
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