8話 ?????

タワマンションの最上階到着と同時にエレベーターの扉が開いた。


スクールカバンのサイドポケットからキーケースを取り出し、いくつかある鍵の中から、家の鍵を取り出し、鍵穴に差し込んだ。


いつもなら、誰もいない家に、形だけ、『ただいま』と呟き、手洗いうがいもそこそこに仕事部屋へ上がる。


そして、納期が近い小説の執筆を始める。途中で小腹が空けば、買い置きしていた菓子パンとエナジードリンクを腹に押し込み、また執筆を続ける。



眠くなって頭が働かなくなったら3時間くらい隣の部屋で仮眠をとって、アラームで起きてまた仕事部屋に戻り、執筆作業。



そして、筆が遅くなってきたな、、、とふと時計を見ると、『あぁ。もう7時半か。』と朝を迎えている事に気づき、慌てて身支度を整える、という、高校生らしからぬブラックな生活を送っているのだが....。


今日は違った。


「ただいま。」


俺が、玄関で靴を脱ぐと、待っていたかのように背中から声が掛かった。



「おかえりなさい。西野君。」

白い肌に冷えピタを貼った、つややかなマロン色の長髪美少女様が、俺を出迎えたのだった。



「おかえりなさい。西野君。思ったより早かったですね」

今日は、俺の声に返事を返す奴がいた。


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