第14話 サプライズプレゼント

「……ゲホッ…ゲホッ…」



「………………」




「3ヶ月ですね」

「えっ…?あの…何かの間違い…」

「いいえ。おめでたですよ」




《…澪ニの…子…?》



私は言えずにいた。




✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕




そんなある日―――――




「あ、いらっしゃい!澪二さん」

「えっ…?」


「…悠飛…!?は、早かったね?遅くなるって言ってたから…」




明らかにテンパってるのが分かった。



「予定より早く終わったから…つーか…澪二って誰?」


「あ、上司の人…」

「…上司の人…?どうして?家に招いてるの?」

「あ、うん…そうなんだ。ちょっと仕事の事で…」




その時だ。




「こんばんは」



「…………………」



上司と思われる人が来た。


まさかの鉢合わせだ。


しかも…その相手に目を疑った。




「あ、もしかして…旦那…さん…?…それじゃあ…今日は…失礼するよ…」




ガチャ


俺は鍵をかけた。




「…どういう関係?つーか…どういう事か説明して頂けますか?」


「いや…俺達は…」


「悠飛、あのね…」


「…奥さんは知っているんですか?」


「えっ…?」



「知ってんのか?って聞いてんだよ!!」

「…悠飛…?」

「…それは…」


「…それから…夕佳の…俺の奥さんのお腹の子って…あんたの子だろ!?」


「…悠飛…何言って…お腹の子は…」


「…本当にそうだって言えんの?確かに夫婦関係は、あったよ。でも…二人が一緒にいる所も見かけた事あったし」


「…えっ…?」


「…あんたは転勤中、俺の奥さんと一緒でしたよね?部屋にも出入りし体の関係もあった…違いますか?」




俺は男の人の胸倉をつかんだ。



「あんたの奥さん、沙耶華には、どう説明するか知らねーけど!これだけは言っておくよ!俺もあんたの奥さんに手を出した!」



「えっ…?沙耶華…って…知って…」


「…悠飛…?」


「もう何度寝たかな?いけない恋だって分かってた!我慢して自分達の気持ち抑えてブレーキかけてたけど俺は…アイツが…沙耶華が好きなんだよ!お互いの気持ちは一緒で、幸せだったよ!」





胸倉を離す。




「…君…」



「夕佳…悪かったな…俺も言える立場じゃねーんだ。これが今の…俺。最低な男なんだよ…これ以上、俺…お前と一緒にいられねーわ…荷物は、そのうち取りにくる…失礼します」



部屋を出て行き始める俺。





「悠飛!待って…!」



夕佳は、後を追ってくる。



「…………………」



「…夕佳…実際の所どうなの?」

「えっ?」

「お腹の子…あの人の子供なんだろう?」



彼女はゆっくりと頷いた。



「…ごめん…」

「後悔してないの?」


「してない…彼の奥さんも子供には無関心だったみたいだから…私達は話し合った上で決めた結果なの…」


「…そう…」


「本当に…ごめん…なさい…」



夕佳は頭を下げた。


俺は、そこから去った。





♪♪♬〜…


【今、何してる?話があるから会えないかな?】




ドキン…



♪♪♪〜…


【私も……話があるの…】




私達は待ち合わせをした。




「沙耶華さん…」


「…悠飛君…」


「あれ?飲まないの?」


「…うん…飲まない…と言うより…飲めない…」


「えっ!?」


「子供…出来たから…」




「…えっ!?…子供…!?旦那さんの!?」


「…多分…ていうか…そうであってほしくないのが…私の本音かな…?」


「…本当に旦那さんの子供なの?…沙耶華…旦那さんの子供じゃない方が良いよ」


「…えっ…?…でも…これが現実だから…」


「…沙耶華…の旦那さん…俺の奥さんの所にいた」




「えっ…!?」


「お腹の子も、俺の子供じゃない」


「…嘘…」




《…じゃあ…澪二は…》



「…沙耶華…心辺りあるの?」


「…それは…だって…夫婦関係は転勤から戻って来てから何度もあったし…」




「………………………」



「旦那さん…知ってるの?」



私は首を左右に振る。



「話してなくて…」

「どうして…?」

「…それは…」 



「…沙耶華…だったら旦那さんには言わないで、そのままにしておこう。子供は俺が育てるから!お互いのパートナーと離婚して一緒になろう!」



「悠飛……そんなの…」


「…それに…多分…お腹の子は…俺の子だって確信出来るよ」


「えっ…!?…悠飛の…?」




「沙耶華と最初で最後の、あの日、俺は子供が出来ても良い覚悟で沙耶華を抱いた。沙耶華の涙を見て俺は終わらせたくないって思ったから…」



「終わらせたくないって……」



「俺、子供は嫌いじゃないし、まだ、早くはほしいと思わなかったから。彼女、俺の奥さんは、早く結婚して子供がほしいって付き合っている時からずっと言われ続けてきた…だけど、まだ俺は、そのつもりはなくて」



「悠飛……私と一緒だったんだね…」


「えっ?」


「私もずっと、旦那から言われ続けていたから…」


「そうだったんだ。お互い同じ状況だったんだね。だけど、沙耶華となら、これからもやっていけそうだから」


「…悠飛…」


「実は、さっき沙耶華の旦那さんと鉢合ったんだ。だから沙耶華を呼び出した」


「えっ…?」


「旦那さんに…沙耶華に…手を出したって言ってやった」




ドキン…



「マスター例のものお願いします」


「沙耶華…」


スッと私の左手を優しく掴む。



ドキン



そして、ゆっくりと左手の薬指にはめられる。




「俺と…結婚してください」



ドキン…




「…悠飛……はい…」




私は涙がこぼれ落ちる。




「沙耶華ちゃん、おめでとう!良かったね」

「今度こそ幸せになろう沙耶華…2人ではなく3人で」

「…うん…」






【あなたを永遠に愛し続けます】

【I will keep loving you forever】




指輪にはそう愛のメッセージが刻まれていた。










あなたは

 

 今 恋してますか…?




あなたは 


   今 誰かに


     愛されていますか…?




そして 何より 


      今 幸せだと


         心の底から言えますか?







〜 E N D 〜







〜 メッセージ 〜


不倫を勧めるわけではありません。


不倫は家族崩壊。


或いは


家庭崩壊になりかねません。


しかしながら世の中には


うまくいくこと


うまくいかないこと


様々です。


人間として


社会人として


改めて考えて行動する事が


大切だと思います。






御愛読ありがとうございました☆彡


































































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恋……していますか?〜不倫編〜 ハル @haru4649

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