ヒトに労働ロボットとして使役されていたヒトの分身であるアンデッド。アンデッドは自我のようなものをもつがあくまでモノである。
そんなアンデッドが人類が滅んだ世界で新たな社会を築いていた。
アンデッドの少年フユは、危険な仕事クズ拾いをしつつ毎日を過ごす。そんなフユがひょんなことからアガルタという謎を巡って旅することになる。
と、ここまではよくあるポストアポカリプス物かと思いきや、自我とは生命の謎とは壮大なテーマに深く切り込んでいく作品です。
ミリタリーファンも好む演出や相棒ウララちゃんとの掛け合いも魅力的なポストアポカリプス小説!
アンデッドと呼ばれる、自我ありの自分のコピー的な存在を生み出す技術が確立された世界、そしてそれがおそらく、戦争を引き起こして崩壊した未来。
そんな場所で「クズ拾い」をして働くアンデッドの男性主人公とその相棒アンデッドの女性の生活が描かれます。
荒廃した世界で生きるアンデッドという特殊な主人公ですが、性格は割と普通っぽくて愛嬌があり、生きるために頑張っている感じが好感が持てて入りやすく、読んでて楽しいです。
また、「クズ拾い」の仕事を達成するにはプロの知識と経験が必要で、その準備、計画を練る、実行するのサイクルが熱い。詳細で出てくる道具も多種多様。フォールアウト好きな筆者にはたまらないものが。相棒アンデッドのウララのデザインもよく、心掴まれました、しかも可愛い。
今の時点では数種類しか確認できていませんが、アンデッドには様々な分類があります。さらには主人公の謎やアンデッドを作ったネクロマンサー……などなど、今後もどんどんいろんなモノが登場しそうな雰囲気ありありでワクワクです。