3000字足らずの短編で、これほどまでに心を波立たされるとは。
読後最初の感想です。
私の未熟な筆でご紹介するのが憚られるほど、完成度の高い研ぎ澄まされた作品だと思いました。
作者さんは別に和風ファンタジーも書いておられ、雅で流麗な雰囲気をいつも上手に創られます。
その長所はこちらの短編にも活かされており、手紙の形式を取られているのですが、やはり情趣深い空気が創り上げられています。
花を愛でてやまない主と、その主に献身的に使える従者とが紡ぐ物語。
美しさがやがて恐ろしさに変じ、それでもやはりどこか美しい。
5分足らずで濃密な時間を味わえるこちらの作品、とにかくお勧めです。
ぜひご一読ください。