第100話 これって、大丈夫だよな?
『やっと私を召喚してくれたっ!! いったいいつになったら召喚してくれるのよって毎日毎日イライラしながら待っていたんだからねっ!!』
「すまんすまん。 でもぶっちゃけ今まで平和過ぎてお前たちを召喚するような場面はなかったしなぁ……」
そして召喚された魔獣の内フェニックス種のアエローが人の姿に翼が生えたような姿になって俺の横を並行しながら飛び、文句を言ってくるではないか。
てかなんでこいつは元の鳥形の姿ではなくわざわざ変化して人の姿で召喚されているのか分からないのだが、普段と違う姿をして動きにくいとかないのだろうか?
『はぁっ!? 平和だと呼んでくれないのっ!? え? 別に何も無くても呼んでくれたって良いじゃないっ!!』
「分かった、分かったからっ!!」
「本当っ!? 私聞いたからねっ!?」
まぁ、本人がそれで良いと言うのであればそれで良いのだが、とりあえずこれからは定期的にこいつらも召喚してガス抜きをしなきゃなと心にとどめておく。
魔獣たちのケアも主である俺の義務であろう。
せっかく俺ごときと契約してくれている者たちなので、俺ができる事であれば無理のない範囲でやってあげたいと思っている。
「それで、お前たちだけで大丈夫だとは思うが一応下に蔓延っている魔獣たちは一掃できそうか?」
「誰に物を言っているの? むしろ私一人でも余裕よっ!!」
「そりゃ頼もしいな。 とりあえず分かっているとは思うが倒すのは魔王に操られている魔獣だけでそれ以外は殺すなよ?」
「分かっているってっ!! それじゃ、早く主様と遊びたいから速攻で倒して来るねっ!!」
そしてアエローは元のフェニックスの姿に戻ると『ばびゅんっ!!』という音と共に地面まで一気に下まで降りて行ったかと思うと真っ赤な業火で一面を焼き尽くして行くではないか。
これって、大丈夫だよな? 人死んでないよな? スタンピードが終わって帝都に戻ったら殺人の容疑で捕まったりしないよな?
一応この場合、俺は注意はしているからアエローのせいにならないだろうか? 俺が召喚主だからならないよなぁ……。
たのむから魔獣だけ殺しつくして人は殺さないでくれよと願いながら先へ進むのであった。
◆
後衛へと戻って約二時間の仮眠を取ったあと、俺は周囲の人間から『国王陛下の懐刀がもうすぐ到着するとの事ですのでもう前線へ行く必要はありませんっ!! むしろ万が一の為にダグラスさんは休んでくださいっ!!』と部下から止められるのだが、その制止を振り払って俺は前線へと向かう。
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