第87話 守られるような存在はもう嫌だ
「では私はここからさらに前線に行ってきますねっ!!」
「大丈夫だとは思うけど、一応気をつけてねっ!! 普通の討伐と思ったらダメだからねっ!? 物量で押し潰される可能性も考慮しなさいよっ!!」
「分かりましたっ!! 助言、ありがとうございますっ!!」
そして私に伝えたいことを伝え終えたレヴィアは、恐らくレンブラントに指示が出されているであろう自分がするべき事をしにここよりさらに前線へと向かおうとするので、おせっかいかもしれないのだが一応助言をしておく。
私も小規模ではあるものの初めてスタンピードを体験したときはここの魔物よりもその多さにに苦戦した事を思いだしたのでその事をレヴィアに伝えておく。
一匹一匹の魔獣が雑魚だからと余裕をかましていると痛い目をみる可能性があるので、再度その事を意識させるという意味でも言って損は無いだろう。
あるとすればレヴィアから『口うるさいお姉さんだな』と思われてしまう可能性があるくらいなのだが、それでレヴィアが生き残る可能性が一パーセントでも上がるのであれば言った方が良いだろう。
とりあえずレヴィアに関してはレンブラントのお弟子さんで、そのレンブラントがこの
そして、そう思うのと同時にレンブラントから信頼されているレヴィアが羨ましくもある。
今度は私がレンブラントから頼られるような存在になりたい。
今回のように守られるような存在はもう嫌だ。
レンブラントの隣に立って、一緒に歩いていけるような、そんな存在になりたいと、私はそう強く思いながら目の前の魔獣を、つい先ほどまでは死を意識していた者と同一人物とは思えない程の勢いで倒していく。
「このスタンピードが終わったらレンブラントから結婚を申し込まれるんだから死んでも死に切れる訳ないでしょーーーーーーーっ!!!!」
そしてスタンピードの中心で私は叫ぶのだが、レヴィアが伝えたのは『レンブラントがもうすぐ助太刀にくる』という事であり、そこから何故か『レンブラントがサーシャの事が好き』だという事へ変化し、更に今現在では『このスタンピードが終わればレンブラントから結婚を申し込まれる』という風に変化していっている事に気付くことは無かった。
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