第86話 口元がニヤけて来てしまう…
それこそ何故レンブラントの声を聴かせてくれないのかと抗議の一つでも言おうとして声がする方向へ振り返ってみると、そこにはレヴィアの姿がそこにはあった。
「…………はい? レヴィアちゃん……?」
「あ、よそ見してたら危ないじゃないっ!! サーシャ先輩っ!!
「いや、そういう問題ではないでしょうっ!! なんでここに来たのっ!?」
「何って、そりゃぁこの
「そ、それは本当ですかっ!?」
私の聞き間違いでなければレヴィアは先程『もう少ししたらレンブラント』が来ると言っていたように聞こえたのだが気のせいだろうか?
そもそもあのレンブラントが来るはずないと思っていたし、宮廷魔術師ならスタンピードくらいどうにかできそうとでも思ってもいそうである為万が一レンブラントがこのスタンピードを解決させようと動いたとしても私たち宮廷魔術師が瓦解したという情報を知ってからであろうと思っていた。
長年レンブラントの横で一緒に育って来た私がそう思うのだ。
実際に当初レンブラントはそう思っていたに違いないだろう。
であれば何故レンブラントの考えが変わってしまったのか。
私は少し悩んだ後一つの答えに行き着いた。
スタンピードが想像以上に大規模であり、また今までのスタンピードでは出現したの事ない討伐ランクが高ランクの魔獣まで出現している事を耳にしたレンブラントはきっとこう思ったに違いない。
『このままでは愛しのサーシャが魔獣達に殺されてしまうかも知れないっ!! そんな事は絶対嫌だし、この俺が愛しのサーシャを助け出してみせるっ!!』
という結論に至った結果、この私を助ける為だけに今回のスタンピードを終わらしに来ようと思ったに違いない。
そして、まさか私とレンブラントが両想いだったなんて……コレはもう何がなんでも生き延びなければならないではないかっ!!
「そ、そうなんだ……そーなんだ。 もう、それならそうと言ってよねっ。 まったく、世話の焼ける奴よねっ!! ふへ、ふへへへっ」
だめだ、勝手に口元がニヤけて来てしまう……っ。
「? よく分からないですがそろそろ魔獣を倒して欲しいんですけど。 このままだと私がこの場所から動けないので」
「ご、ごめんねっ!! でもレンブラントが助けに来てくれると分かってかなり気力が回復したわっ!! ありがとうっ!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます