第41話 ますますもって意味が分からな

 流石にもう俺は自惚れたりしせず、凡人であるという事を受け入れ為、第三者目線からすれば美人でスタイルも良く宮廷魔術師という半ばアイドルの様な存在の、男性は引く手数多のサーシャが俺の事を好きなどという事は無いだろう。


 自分という人間の大きさ以上の評価をして失敗してしまうという恥ずかしい黒歴史を作るは一度だけで十分だ。


「もうっ、なんでそこでリーシャが出てくるのよっ! そんな悩みじゃないからっ!」

「さいですか」

「さいもさいっ! さいですよっ!私はレンブラントが宮廷魔術師になろうとしてたから私もレンブラントと一緒に働きたいと思って分不相応と知りつつ、だからこそ死にものぐるいで宮廷魔術師を目指したんだから、その肝心のレンブラントがいない宮廷魔術師なんて肩書き、私は要らないもの。あれほど宮廷魔術師宮廷魔術師って言ってたレンブラントはレンブラントとでたった一回ダグラスに負けた位で目指さなくなっちゃうし、少し目を離した隙に美人なダークエルフを奴隷にするは、新入生相手に手を出そうとするわで………こんなんだったら私も宮廷魔術師を辞めて学園で働きたいと思ってしまうわよバカッ!」


 そしてサーシャは俺の投げやりの返答に不満が爆発したのか怒涛の勢いで不満をぶち撒けるのだが、俺のせいで宮廷魔術師を辞めたい事になっているのは流石に風評被害も良いところなので辞めて頂きたいとも思うのだが、それは百歩譲って良いとしても、ただ、これだけは辞めて欲しいという事をこのサーシャはぶっ込んで来やがった。


「そうかそうか。色々俺も言いたい事があるのだが、これだけは訂正させてくれ。俺はロリコンでは無い。ケツの青い子供よりも良い感じに成熟した果実の方が好みだ。全く、品行品性が良いと自負している俺に向かって新入生に手を出そうとする訳が無いだろう。どれだけ俺が誠実であるかと言うと一夫多妻制度の我が国で一夫一妻が理想的だと今も尚思っている程なんだぞっ!」

「だから焦ってるんでしょうっ! バカッ! アホッ! 唐変木ッ!」


 ますますもって意味が分からない。


 もし本当にサーシャの好きな人が俺であったのならば、自慢では無いが一度お医者さんに診てもらう位に平々凡々、宮廷魔術師様が好きになる様な異性では無いと胸を張って言える。


 以前の俺ならば流石にここまで言われれば勘違いの一つや二つ位ならばとうにしていたであろうが、流石に今の俺で有れば、恐らくいつも通り俺を揶揄って自分のストレスを吐き出しているだけだという事位は分かる。

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