第101話 みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる
どこかでこの言葉は引用したと思うのですけど。
引用、との言葉でお分かりいただけるように、私の言葉ではありません。
10年ほど前でしょうか? 広告業界に興味を持って、一時その仕事にも携わりましたけど、さらにコピーライターはどんなものかと調べていた時に出会った本の題名でもあります。
「みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる」
広告はターゲットを絞るわけです。
専門用語もありますが、簡単に言えば小学生に向けてのおもちゃの宣伝に、子どもには難しい言葉や表現を使っても通じにくい、
と、いうことです。
これって、創作界隈でも同じことですよね。
細かく言い出したらキリがないんですけども。
例えば……
中学生男子に向けてなら、ちょっとエッチなお話も受けるでしょう。
でも、それに嫌悪感を抱く方も少なからずいるはずです。
だからといって、コンプライアンスの問題あっても、遠慮しすぎるとターゲットとしている中学生男子にも受けが悪くなる。
大人に向けての恋愛譚が、かえって中学生女子のほのかな恋に恋する心に響いて、その層から熱烈な支持を得る。
と、逆のこともあり得ますが、それもターゲットを絞っているからこそとはいえます。
私が好きな某ニチアサ21年目突入もですが、ターゲットである女児に向けてのメッセージを強くすることがかえって、大きなお友だちにも受けると、そういうことです。
人それぞれなので。
ホラーが好きな方もいれば、鬱展開がないと満足出来ないという方もいらっしゃいますし、私が求める優しさや癒しには「現実にそんなことあるもんか」と敬遠される方もいらっしゃいます。
先のニチアサ番外、オトナ……、は、その意味で脚本が良く出来ていたと感心しました。
すべての人を満足させることなど出来ないのです。
私はマンガが好きなので、単行本なんかのあとがきで制作秘話を見ると、好きなものを追求した末の作品ですと語られる作家さんは多いです。
そこから、先のコンプライアンスの問題、商業ならば万人受けは狙えないとはいえある程度は表現などを抑えなければいけないこと、それは編集さんのチェックが入り、商業作品として成立するのです。
まずは自分の好きを突き詰める!
それが面白い作品を生み出し、ひいては思っても見ないところから受けが良くなると、そういうものなんだと思います。
マンガの話を続けますが、私は「着○恋」なんてドはまりしていますが、アニメからでしょうか? 本来のターゲットである男子だけでなく、女子にもキャラクターは受けていると聞きます。
ヒロインの喜多川さんは好き嫌いがはっきりしています。しかし人のそれも認めていて、自分が嫌われようとも構わないと突き抜けています。それが女子受けにもつながったのでしょう。
ま、好きになった人には嫌われたくない、そうなったらって考えただけで……。
えーん、て、泣いちゃう。
って、乙女全開ですけども!
そこも共感されるのかなあ。
で、何が言いたいの?
今回のKACでは、先のカクヨムコンでヨム出来なかった分を取り戻すようにたくさん作品ヨムさせてもらっていますが、皆さん個性があっていいですよね!
私は優しさとか癒しとか、それは今回のKACでも。
私自身が優しさや癒しを求めていますし、せめて創作のなかでは、自分の作品のなかではって感じで書いております。
はい。
そんなこと言うくらいだから、現実は甘くないし、私自身もそんなに優しさだけで作られたような人間でもないわけですよ。けっこう、毒も吐きますし、暴れますし、生きているだけで迷惑かけまくりです!
迷惑、かけない生き方なんて、人間だもの、あるわけないんですけどね。
偉そうな言い方しつつ、嫌われたくない、痛いことを言われたくないのは本音なので、マイルドを演じているところもありますけど。それが過ぎて、しんどくなって、めまい起こして倒れることもありますけども。
それでもいいかなって。
それが私なので。
そんなどうでもいい話。
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