第43話 キャラクターを愛すること

 キャラクターから物語をつむごうと考えます。

 でも、そもそも魅力的なキャラクターって……。

 そこに迷いますよね? 


 私の場合は、


「誰でもない、作者自身が、そのキャラクターを愛せるか」


 そう、考えます。


 我が子であり、自分の分身でもある、自分の物語の登場人物たち。

 自分自身を愛せないで、誰に愛してもらえますかと。


 愛されキャラクターの作り方、なんて、ネットにはあふれています。

 定型からキャラクターを作ることも否定しません。

 ジャンルやターゲットによって、「愛される」基準も違ってくるものです。

 何から生まれたにせよ、作者が愛せないキャラクターを読者に愛してもらおうとするのは無理がある。


 好きな食材を詰め込んで、楽しく作った料理。

 だからこそ、人にも勧め甲斐がありますよね。


 それなら、アンチヒーローは?

 そう、自分がとことん愛せないキャラクターにすればいいのです!

 嫌いな食材をとことんまで詰め込めばいいのです。

 人に嫌われたい物語、ホラーとか、どろどろのサスペンス、ミステリーとか、それなら愛せないキャラクターで物語を紡ぐのも手かもしれません。私はそれでは物語紡げませんが。


 キャラクターと考えず、一人の人物と向き合う。


 じっくり観察する。

 とことん会話する。

 愛しい人に接するのと同じように。

 我が子をいつくしむのと同じように。


「あなたなら、こういう時どうするの?」

「なぜ、そんな考え方や行動をするの?」

「過去に何かあったのかな?」


 そのとき、勝手なことを言い出したり、作者が作った構成と離れたことをしだしたりしたら、それこそキャラクターの「独り立ち」。キャラクターが確かな人格を持ったのです! それに従い、それをこそ歓迎し、それにそわせればいい。


 物語の展開に迷った時、はたまた物語の山場を迎えた時、訊いてみればいいのです。次の展開はキャラクターが教えてくれます。


 我が子を見てくれ!

 我が子のここがすごいんだぞ!

 我が子はがんばっているんだ!


 私はそれをどう見せるかに心を砕くだけ。


 そうなるためにも、やっぱり自分自身がそのキャラクターを愛せないといけないですよね。


 そんなどうでもいい話。

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