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2023年6月23日 22:14
今回も非常に興味深く読ませていただきました。今回の章では全体を通してフィルアシス症がどのような病なのかがシュユさんから語られて、それを読み進めていくときの気持ちは、まるでリュカさんやベアトリスさんの立場になったようでした。読んでいて、これはきっともなか様が書く文章だからだろうな……と思って感動していたところは、フィルアシス症にかかったらどうなるかという症状の説明だけでなく、この病が、虫魔……寄生虫によってどのように引き起こされるのかを丁寧に説明しているところです。寄生虫によって引き起こされる病……で終わらせるだけでなく、寄生虫が『どこからやってくるのか』というところからの説明があることで、他のケガや病気との違いがよくわかりました。また、ベアトリスさんが鋭く衛生環境についてシュユさんに告げたところも緊迫感があり、同時に熱心に読ませていただきました。フィルアシス症をもたらす寄生虫に対抗するには、なるほど、ただ清潔にすればいいというものではないのだと、フィルアシス症の厄介さがインプットされるのと同時に、セティフラムは侯爵家によって、(おそらく作中でも上位の)衛生的な環境が保たれているのにも関わらずフィルアシス症をもたらす寄生虫の侵入を防ぐことができなかったのだ……と読み取ることができます。ベアトリスさんは実際、これまで他の多くのウィルスや寄生虫の侵入を防いできたのでしょう。その自負が、怒りとなって言葉に現れたのだと思いました。具体的にどのような施策を取ってきたのかを描写せずとも、ベアトリスさんの『怒り』が、主治医のベアトリスさんや侯爵のリュカさんがこれまでにどれほどの熱意と誠意をもってセティフラムを衛生的に保ってきたのかが感じられます。ですが、それだけに、衛生的にするだけでは寄生虫の侵入、感染が防げないというフィルアシス症に対しては対応ができなかったのかもしれない……と思いました。ベアトリスさんたちも十分に優秀な人材であったからこそ、今までの常識を一旦疑うような施策は取りづらかったのかもしれない、と思わせてくれました。シュユさんが魅力的なのはもちろんですが、登場したばかりのときにはシュユさんを値踏みし、反発するような態度で、読者としては「ムッ」としてしまいがちなキャラクターにも自然と興味を持たせてくださる文章に感動いたしました。シュユさんによる一連の説明が終わり、次回はどのように立ち向かっていくかに話が写っていくのでしょうか。次回もとても楽しみです。ありがとうございました。
作者からの返信
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。現実の世界にも、他の生き物を媒介として感染を広げる寄生虫はさまざまなものがいるんですよね。たとえばカエルも寄生虫を媒介することがあり、でもカエルをぱっと見ただけでは寄生虫がいるとはわからないのがこういったタイプの寄生虫の厄介なところだと個人的に思っています。でも、初対面の人からいきなりそのことを指摘されても素直に受け入れるのは、これまで努力を積み重ねてきた側の人間からすると難しい部分もあるよな……と考えて、ベアトリスの怒りを描写したのですが、ただ不快感を与えるだけで終わっていないのがわかり、ほっとしました。また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。こちらこそ、ありがとうございました。
今回も非常に興味深く読ませていただきました。
今回の章では全体を通してフィルアシス症がどのような病なのかがシュユさんから語られて、それを読み進めていくときの気持ちは、まるでリュカさんやベアトリスさんの立場になったようでした。
読んでいて、これはきっともなか様が書く文章だからだろうな……と思って感動していたところは、フィルアシス症にかかったらどうなるかという症状の説明だけでなく、
この病が、虫魔……寄生虫によってどのように引き起こされるのかを丁寧に説明しているところです。
寄生虫によって引き起こされる病……で終わらせるだけでなく、寄生虫が『どこからやってくるのか』というところからの説明があることで、他のケガや病気との違いがよくわかりました。
また、ベアトリスさんが鋭く衛生環境についてシュユさんに告げたところも緊迫感があり、同時に熱心に読ませていただきました。
フィルアシス症をもたらす寄生虫に対抗するには、なるほど、ただ清潔にすればいいというものではないのだと、フィルアシス症の厄介さがインプットされるのと同時に、
セティフラムは侯爵家によって、(おそらく作中でも上位の)衛生的な環境が保たれているのにも関わらずフィルアシス症をもたらす寄生虫の侵入を防ぐことができなかったのだ……と読み取ることができます。
ベアトリスさんは実際、これまで他の多くのウィルスや寄生虫の侵入を防いできたのでしょう。
その自負が、怒りとなって言葉に現れたのだと思いました。
具体的にどのような施策を取ってきたのかを描写せずとも、ベアトリスさんの『怒り』が、主治医のベアトリスさんや侯爵のリュカさんがこれまでにどれほどの熱意と誠意をもってセティフラムを衛生的に保ってきたのかが感じられます。
ですが、それだけに、衛生的にするだけでは寄生虫の侵入、感染が防げないというフィルアシス症に対しては対応ができなかったのかもしれない……と思いました。
ベアトリスさんたちも十分に優秀な人材であったからこそ、今までの常識を一旦疑うような施策は取りづらかったのかもしれない、と思わせてくれました。
シュユさんが魅力的なのはもちろんですが、登場したばかりのときにはシュユさんを値踏みし、反発するような態度で、読者としては「ムッ」としてしまいがちなキャラクターにも自然と興味を持たせてくださる文章に感動いたしました。
シュユさんによる一連の説明が終わり、次回はどのように立ち向かっていくかに話が写っていくのでしょうか。
次回もとても楽しみです。
ありがとうございました。
作者からの返信
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
現実の世界にも、他の生き物を媒介として感染を広げる寄生虫はさまざまなものがいるんですよね。
たとえばカエルも寄生虫を媒介することがあり、でもカエルをぱっと見ただけでは寄生虫がいるとはわからないのがこういったタイプの寄生虫の厄介なところだと個人的に思っています。
でも、初対面の人からいきなりそのことを指摘されても素直に受け入れるのは、これまで努力を積み重ねてきた側の人間からすると難しい部分もあるよな……と考えて、ベアトリスの怒りを描写したのですが、ただ不快感を与えるだけで終わっていないのがわかり、ほっとしました。
また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
こちらこそ、ありがとうございました。