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2023年5月4日 21:50
今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。特に印象的だったのは、シュユさんとベアトリスさんとのやりとりです。前回の2-2でエデンガーデン辺境伯がルミナバウム領を守る存在であり、ブルークラリス侯爵家と並ぶ実力を持つという説明があり、リュカさんはそれを聞いて、驚きこそしましたが、それに眉をひそめるようなことはしませんでした。シュユさんの話を丁寧に聞いて、シュユさんがここにいる意味を理解し、納得してくれました。一方、ベアトリスさんはシュユさんがエデンガーデンの家の者だと聞くやいなや、幻療士を貴族の道楽でやっているのではないか、そもそもほんとうに幻療士を務められているのかと疑ってかかりました。リュカさんとベアトリスさんでは、明らかに対応に差がありました。この対応の差で、リュカさんとベアトリスさんの『患者のパートナー』と『患者の主治医』という立場の違いがはっきりと感じられました。リュカさんが思慮深く、パートナーのことを大切に思う人であることが伝わってくるのはもちろんですが、だからと言って、ベアトリスさんが劣っているというわけではないのだということも読んでいて感じられました。ベアトリスさんがシュユさんのことを『道楽で幻療士をやっているのではないか』と思ったのは、作中でしっかりと語られていて、そう思うのも無理はない……と読んでいて思わせていただきました。読者はこれまでの全てを理解していますが、登場人物であるベアトリスさんはそうはいきませんものね。ブルークラリス侯爵家であるリュカさんの大切なパートナーの主治医として、素性がはっきりしない者や、シュユさんのように素性はハッキリしていてもここにきた『目的』が読み取れない相手であれば、ベアトリスさんが警戒するのも仕方のないこと……と思えて。また、シュユさんもベアトリスさんの言動や判断に対して、自分も逆の立場だったらそうするだろうと納得する姿を見せてくれて。シュユさんがスウォンツェさんを診療するにあたって、当然存在する主治医。その主治医とどのように交代するのかを丁寧に、しかも読んでいて自然と納得できる形で展開させてくださったもなか様の構成力に感動しつつ、堪能させていただきました。次回もとても楽しみです。ありがとうございました。
作者からの返信
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。今回も嬉しいコメントをありがとうございます。ベアトリスの存在は、実は最初はなかったんですよね。途中で侯爵家ならお抱えの医師ぐらいいるよな……とふと思って変更し、お抱えの医師からすればぽっと出の人間にいきなり治療を任せないよなぁ……と思って、このシーンが誕生しました。後から読み返すとちょっといらなかったかなと思うこともあったので、bisnonさんの感想がとても嬉しかったです。また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。ありがとうございました。
今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。
特に印象的だったのは、シュユさんとベアトリスさんとのやりとりです。
前回の2-2でエデンガーデン辺境伯がルミナバウム領を守る存在であり、ブルークラリス侯爵家と並ぶ実力を持つという説明があり、リュカさんはそれを聞いて、驚きこそしましたが、それに眉をひそめるようなことはしませんでした。
シュユさんの話を丁寧に聞いて、シュユさんがここにいる意味を理解し、納得してくれました。
一方、ベアトリスさんはシュユさんがエデンガーデンの家の者だと聞くやいなや、幻療士を貴族の道楽でやっているのではないか、そもそもほんとうに幻療士を務められているのかと疑ってかかりました。
リュカさんとベアトリスさんでは、明らかに対応に差がありました。
この対応の差で、リュカさんとベアトリスさんの『患者のパートナー』と『患者の主治医』という立場の違いがはっきりと感じられました。
リュカさんが思慮深く、パートナーのことを大切に思う人であることが伝わってくるのはもちろんですが、だからと言って、ベアトリスさんが劣っているというわけではないのだということも読んでいて感じられました。
ベアトリスさんがシュユさんのことを『道楽で幻療士をやっているのではないか』と思ったのは、作中でしっかりと語られていて、そう思うのも無理はない……と読んでいて思わせていただきました。
読者はこれまでの全てを理解していますが、登場人物であるベアトリスさんはそうはいきませんものね。
ブルークラリス侯爵家であるリュカさんの大切なパートナーの主治医として、素性がはっきりしない者や、シュユさんのように素性はハッキリしていてもここにきた『目的』が読み取れない相手であれば、ベアトリスさんが警戒するのも仕方のないこと……と思えて。
また、シュユさんもベアトリスさんの言動や判断に対して、自分も逆の立場だったらそうするだろうと納得する姿を見せてくれて。
シュユさんがスウォンツェさんを診療するにあたって、当然存在する主治医。
その主治医とどのように交代するのかを丁寧に、しかも読んでいて自然と納得できる形で展開させてくださったもなか様の構成力に感動しつつ、堪能させていただきました。
次回もとても楽しみです。
ありがとうございました。
作者からの返信
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
ベアトリスの存在は、実は最初はなかったんですよね。
途中で侯爵家ならお抱えの医師ぐらいいるよな……とふと思って変更し、お抱えの医師からすればぽっと出の人間にいきなり治療を任せないよなぁ……と思って、このシーンが誕生しました。
後から読み返すとちょっといらなかったかなと思うこともあったので、bisnonさんの感想がとても嬉しかったです。
また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
ありがとうございました。