将棋擬人化ゲーム ~あなたは将棋のルールを知っていますか~

春顔

あらすじ

『あなたは将棋のルールを知っていますか』


私は夢の中でその質問に YES と答えただけだった。


「いやー困ってたんだ」

「今どき将棋のルールを知っている人が少なくてさ」


 ――プレイヤーになる人が少なくて


夢の中であった神と名乗るその人は、そう言った。


また、新しい質問。


『コマと役割の割り振りを「おまかせ」にしますか』


神は、「最初はよくわかんないだろうからおまかせにしておけばいいよ」と言った




 ――これは、そんな私と。


 一方で、

 人の顔も名前も覚えられず、

 人の顔が、その腕に応じて、将棋の駒に見える人間の


 ――プレイヤーとしての。

 ――チームでの戦いである。



試合中、私は何もできない。

将棋のルールは知っているが、強くはないし。

趣味程度でしかやってこなかった。


「おまかせ」で割り振られた仲間達は、自分の動きに納得がいかない様子。

時には、揉めることもあった。



一方。相手チームは、

プレイヤーの指揮のもと、

その人その人の能力に合ったコマが割り振られていて。


――皆が、全力を出し切れている様子だった。


プレイヤーも、将棋の定跡を知っていて、強いらしい。


少し変わったことといえば、

私の駒だけ、レベルが上がるのだ。


これは、そんな。

教育実習に挫折して、

先生を諦めたフリーターが迷い込んだ、

将棋のゲームと人間社会の話だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

将棋擬人化ゲーム ~あなたは将棋のルールを知っていますか~ 春顔 @writer_harukao

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ