神喰
瓦礫が左腕を再生していく、先程とは違い傷ひとつつかないその腕で、飛びかかる少女を軽々といなす。勢い良く路地へと吹き飛んで行く白い少女。吹き飛んだその先の深淵に真紅に光る瞳が、一つまた一つと増えていく。
「俺のやり方でやらせてもらうぞ」
地面に横たわるボロ雑巾に断りを入れると、闇夜を覆い尽くさんとばかりに増えた赤い瞳に飛び込む。次の瞬間、金切り声が響き渡る。
その声を聞き飛び起きるイデア。無数に光る目の中で、少女を一人、頭から鷲掴みして首筋に食らいつく、その口からは紅い雫が滴り落ちている。
少女を傍らに投げ飛ばすのが合図だったように、無数の目が襲いかかる、しかし、難なくあしらい次から次へと少女の首筋に牙を向く。
「あなた……いったい」
「で、どうする?このゲーム、俺とまだ続けるかのか?」
蒼白の少女が無数に横たわる中で光る黄金の瞳、赤く滴る口は、耳まで裂けたかと錯覚するほど笑った。
喰らう男 三夏ふみ @BUNZI
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