プレイ7
2階には元々この家に住んでいた人間の部屋が配置されているようであった。
構造としては至ってシンプルで、中央に通路である廊下が壁まで延びており、廊下の左右には各ふたつの部屋が配置されていた。
まずは向かって右側の階段近くの部屋から見ていくことにした。
右手前の部屋は子供部屋になっていた。
部屋の内装は至る所に物が散らばっており、使用していた者の性格を思わせた。
しかし、物は散乱してはいるものの先程大きな音が鳴ったような何か物が崩れ落ちた様子は確認できなかった。
隣の部屋は物置として使用していたようで、脈絡のない物が雑多に置いてあった。
そしてこちらもまた大きな音が鳴るような原因は見当たらなかった。
三つ目の部屋はこの家の家主である両親が使用していた部屋であった。
二人部屋だからか前ふたつに比べて一回り大きかったが、それ以外はこれといって特色はなかった。
以上3つの部屋に異常がなかったのであるから、最後の部屋つまり、向かって左手前の部屋に原因があることは明らかであった。
私は意を決してその部屋の扉を開けた。
意を決して開けるとそこは何てこともない子供部屋であった。
しいて最初の部屋との違いを挙げるならば、最初の部屋が小学生くらいの子供の部屋であるのに対して、この部屋はまだ小学校にも通っていないような幼い子供の為の部屋に見えた。
「こんなところに音が鳴るような原因があるのか?」
私はまた癖になってしまっている独り言を呟きながら部屋の中に入っていった。
部屋の壁は何やら幼児向けのキャラクターや簡略化された動物が貼ってあった。
そして床には部屋の主が日々遊んでいたであろうおもちゃ達がぴくりとも動かずに佇んでいた。
おもちゃ達は所々部品が欠けていたり、バラバラにされていたりと不自然な姿をしていた。
「以前に調査したのが持っていったのかな?」
そんなふうに想像しながら音の原因がないか探していたところ、窓際に近い部屋の角奥からそいつは現れた。
そいつは異形の姿をしていた。
胴体は機関車のおもちゃでできており、左右には何かの人形の手足が各々4本ずつ付いており足の役割を果たしていた。
機関車の後部からはクレームのアームが尻尾のように伸び、さながら蠍の尾のようであった。
そして正面、機関車の煙突部に突き刺さっているそれは赤子の顔をしており、明確に私を認識していた。
そして私と目が合うと赤ちゃんの笑い声を部屋中に響かせながら私に襲い掛かって来たのであった。
Doll Life 俗悪 @okinagusa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Doll Lifeの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます