俺の夏休み 8月14日 タツが変身ヒロインを捕まえたので飼って良いか聞いてきた…②

 私は今でも…もしかしたらあの悪魔に遭遇すると思うと…8月14日は家を出れないでいる…



―――――――――――――――――――――――


「はあああああっ!観念しなさい!」


 巷で噂の強姦魔…ちょうど現行犯逮捕のタイミング見つけた。

 そして沢山の花びらと草木で作ったウィップで八つ裂きにする。

 

 道端にある花を刃物に変え、悪人を切り刻む。

 正確には…傷は残さず斬られた様な錯覚に落す。


 そんな特殊技能のある変身ヒーローだ。

 

 私、赤藤 祈はとある高校の2年で生徒会長をしている。

 常々不正は許せないと思うたちだが、自分の力の無さにいつもモヤモヤしていた。

 子供の時に見ていた変身ヒロインのアニメを見ていて思った。


『私に力が、変身出来ればなぁ…』


 ある日、落ちている眼鏡をひろった…そこが運命の分かれ道だった。


 眼鏡をかけた瞬間に私は光に包まれ変身した。


 今もガラスに映るのは真っ赤なハイレグスーツ、だけど所々にフリルのある魔法少女、もしくはアイドルの様な衣装…

 グローブの上から嵌っている両手首にある大きめの腕輪、ここに意識を集めると魔法の様な現象が起こせる。

 目にはアイマスク型の目だけくり抜いた様なバイザー。


 バイザーに出てくる情報には力の使い方、そして悪人のデータや位置等…私が正義の使者になるための情報が映し出される。

 

 今、私は件の犯罪者は気絶させて警察の前に投げておいた。

 女の敵は許さない!それが私のルール!


 私の日常は悪い心持つ者達との闘いの日々となった。


 ある日、学校帰りのビルとビルの隙間、小路にそれはいた…


 巨大な体躯…ボサボサの髪…ぴっちりしたスーツ?不思議な格好…そして何より…身体を小さくして何かの穴を覗いていた。

 そして時折木の棒を挿しては何かブツブツ言っている。

 

 聞いた事がある。アリクイはあの様に穴に棒を挿してアリを食べるらしい。

 この都会の片隅でそんな事をする人間が居るわけない。

 つまり…アリクイ型の怪人の可能性が高い!


 私は意を決して話しかける…勿論、変身準備をした状態で。


「ちょっとそこの貴女?何をやっているの…ヒッ!?」


「うおおおおお!?み!?見い!?」


 振り返った化け物!口の周りを血だらけの、にやけた巨大熊女がこちらを向いた!?

 穴に挿していた棒をこちらに向けられた!マズい!

 私は本能の赴く間に変身、眼鏡から眩い光が放たれた!


「変身!レッドウィスティイイイリアッッ!!!」


 両手をクロスし、ポーズを取る!

 決め台詞を放つ瞬間…


「この正義の華で悪のさかっ!?…………………」


 私の視界は回転し、意識を失った。


―――――――――――――――――――――― 

 

 話し声が聞こえる…身体が動かない…縛られているようだ…

 

「この女…虫…飼う…クソ…眼鏡…」


 私を飼う?どういう事?私は…そうだ…あの変な巨大アリクイ女の前で変身して…


「わた…アマテラス…最高の…エロス…ネタキュ…」


 何の話をしているのか…意識が朦朧としてわからない…バイザーには回復には後10分は時間がかかると出ている。

 今は雌伏の時だ、情報を…アマテラスというデータがあった…確認する。

 

【棺の国を出奔、生きる伝説の一人、現在は悪の組織を形成中であるとの噂】


…不味いのに捕まったわね…


「そーやってヒロはいつも強いのばっかり!裏技大辞林だってオレが中古で数千円出したのにタダで付録としてついてる時に買った!ズルい!」


「もはやそれはズルいとかじゃない…」


 何を言っているのか分からないがこれはアリクイ女の声か?

 それに男の声…全部で3人か…この人数…そしてアマテラス…チャンスは少なッ!?


 ズンッ!ジュ~


 ん♥ンはぁ♥何これ!?お尻がむず痒い!?♥


「クッ♥ン♥ㇵ♥ンクッ♥」


 声を出してはいけないのに出ちゃう…失神したフリを…か、身体中が…♥おかしい♥後…数分で回復する…けど♥このままだと取返しがつかなく…気がする…頭が…♥


 サワ…


「ンパアアッ!?♥アアアアッッッ!?♥♥グヒッッ!♥♥♥」

 

 何かがお尻に当たった瞬間、お尻から頭の先、足のつま先まで、まるで100万ボルトの電流が走った様な気がした。

 あ♥あ♥一瞬…頭が真っ白になって身体が動かなくなった。

 下腹部が…全身かまるで…お漏らししたみたいになってるけど違う♥私だって流石に分かる…♥こんなのいやらぁ♥


「ヒロ、オレは怒っているぞ?そうやって『不可抗力です』みたいな顔して、彼女の前でセクハラする、悪い癖だ」


「違うよ、これ人攫いだし、うちにいたら俺が攫った事になるから。後、まだ付き合ってないから…お前がなんか、変な液体かけようとしたし…」


「ヒロ、何ですぐ付き合ってる付き合ってないの尺度で決める?それと、このカブれない痒みだけの山芋汁に何か問題でも?それに変身といえば虫…小説で言ってた」


「藤原さんってどうでも良い事は知ってるのね?変身…カフカね…確かハエと言われてるわね、一説では」


「そう!つまり感度百倍浣腸と山芋汁で狂ったThe.フライ。蠅だ。変身の夏、山芋の夏」


「お前もうめちゃくちゃだよ、だからこの人は人間だから、だから早くリリースしようって!」


 グニ、モミ、ズプ


「ンニャアハアハアアアアアアッッ!?♥♥♥」


「だからヒロ!オレの虫を触るなって!?なんでさり気なくセクハラするのか?人の飼ってる変身虫にセクハラってもうもう終わりだぞ!?ムシハラだ!クソ、アイカのせいでヒロは人の道を踏み外してしまったっ!」


 も、もうダメ♥頭が♥とけ…る…♥


「何訳の分からない事言ってんだよ!だからそれかけるなって!人攫いでも今なら何とか…あ!?馬鹿!」


 何か液体がかかった瞬間、私は皮膚に当たっているコスチュームの感覚だけであの世に飛ぶ様な刺激が襲った。


 そこから先は覚えていない……………




 

 

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【恋の短文シリーズ】夜な夜な変身ヒロインコス着た、好色愛人【全身性感】アナテラスと名乗る変人が部屋に忍び込んで誘惑テレパシーにツッコミを続けるが…もう(夜)遅い(からやめてくれ) クマとシオマネキ @akpkumasun

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