主人公は素浪人。金も地位もない。加えてその容貌さえも醜く世間から蔑ろにされている。
あるとき、彼は居酒屋で押し込み強盗の密談を耳にする。
意外なほどの状況判断を示し、なおかつ当然のようにその企てを阻むべく、その者は腰を上げた。
世間への関心を失ったり、果ては世を憎む事ととなろうとも不思議ではない者が、市井の者の危機を知り助けようとしたのだ。
邪心の溢れる当方などは〝これは礼金目当てだな?〟などど見当をつけたのだが……
はてさて、その結末やいかに?
真っ当至極の時代劇。
皆々様も、ゆるりゆるりと、ご高覧あれ。