閑話 リリサ・アンブレラからの手紙(3)
拝啓、親愛なるエドガー先輩へ
先輩、朗報です! ベンメル少佐に代わって暫定的に私がミラージュの対策チームを任される事になりました!
ラトクリフ局長の報告に不信感を持った中央国防省からの監査が入ったんです。局長は減給の上、一時的に指揮権をはく奪されることになりました。
さらには、先輩への不当な扱いについても聞き取り調査が行われています。局内で悪質なハラスメントが横行していたことが、ついに明るみになる日が来たんですよ。
それから、ミラージュは生産中止だけは免れそうですが、まだ予断を許さない状況です。頻発した事故・故障が、ベンメル少佐が指示した構造材の変更だけに起因するのか、それらを戻した場合、確実に原因は取り除かれたのか?
それらの検証が必須ということでした。
現在生産された計十六機が中央工廠に集められ、改修を待っている状況です。
飛行場いっぱいに並べられたミラージュの姿は壮観ですよ!
でも、誰がうちに集めるように手配したんでしょうか? とりあえず検証をしないと、一斉改修はできない状況なんですが……。
それよりも、リリサは、先輩からの返事が一切ない事を気にしています……。
ユルシカ基地には、軍用回線しか通っていないということで、電話も控えていましたけど、そろそろリリサも心細くなってきました……、近々、電話してもいいですか?
先輩がいないと毎日さみしいです。
あなたの部下 リリサ・アンブレラより
※この手紙は、王立中央工廠研究室のベンメル・リベリア元少佐の部屋から発見された。消印は無く、郵送局を通ってはいないと思われる。ベンメル元少佐はある重要な事件の参考人に目されており、本手紙は証拠として秘匿されていた。
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