謎の無限和室へ
第1話 和室部屋
気がつくとまるで旅館のような和室に横たわっていた。四方をふすまに囲われていて、端っこに小さなベッドがおいてある。ふすまには『20.21.23.24』と、各方向に書いてある。
一瞬戸惑った隼人であったが、あの広告のことを思い出した。「和室…」あのとき決めてしまったままそのままにして、寝てしまった。
しかしなんの説明もなくここに飛ばされたわけで何をすればいいのかわからない。ましてやここは何処にあるのか。あと、どの位ここにいればいいのかもわからない。
隼人は横たわっていた体を起こしてふいに『24』と書かれたふすまを開けてみた。するとほぼ同じ空間に二人の男性が山積みにされた小説を読んでいた。男たちはこちらに顔を向けるとまるで王様を見たような目で「どうかなさいましたか、何か僕たちがしましたか。」と言ってきた。
俺はびっくりして目を丸くして二人を見つめた。緑のジャージを着ている男性と、いかにも真面目そうな丸眼鏡をかけている男性。二人は何か心配そうな目をしている気がした。「あのーここはどこですかね。説明してもらえませんか?」二人はなぜか安堵したような顔をして「わかりました。」と話し始めた。
眼鏡の男が話を続ける「僕は柴田といいます。そしてこのジャージの人は太田さんです。」二人は、隼人に向かって軽くおじきをした。隼人も返す。
柴田さんが話し始める「ここは和室が無限に続いています。恐らく僕が見てきた中で違いがあったのは数か所でしょう。料理場、トイレ、水道、コンビニですかね。」なんだが想像よりも随分と贅沢な気がしたが聞き続ける。
「コンビニは共通の通貨を使います。これですね。」と柴田はコインを見せる。「これは交換日の初日にもらえます。レベルが高くなるほどもらえる金額は上がります。」交換日?レベル?もう話についていけなくなった隼人が口を開く。
「すいません交換日とかレベルとかって何なんですか。」柴田は申し訳なさそうに「あぁすみません。」と言いながら説明をする「まずこの空間にはレベルというものが存在します。このレベルは高ければ高いほど位が高くなります。馴れているやつは位が高くなると下のやつをいじめるんです。」驚いた。この世界にもいじめがあるのだ。そんなこと絶対にしたくない。
「交換日は大体2週間に一回レベルが入れ替わります。恐らくランダムでしょう。それから…」
『ガラン!』話を遮るように激しく音がなる後ろを振り向くと『21』のふすまが空いていた。中からは綺麗な自分と同年代くらいだろうか。長い髪の女性とボサボサ髪の男性がこちらを見つめていた。先程の柴田さんの話を思い出し、なんだか隼人は嫌な予感がした。
和室レベル @nkumaki
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