和室レベル
@nkumaki
プロローグ
高校生の大村隼人はお金がなく困っていた。
家族は母親一人で父親とは自分は小さな頃に離婚したらしい。
女手一つでここまで育ててくれたのだ。母はパートを掛け持ちしてなんとか家計を切り盛りしてくれているのだが、いつも家計はギリギリでお小遣いなど少ししかもらえないのであった。高校生であることもあり、友達は遊園地やファミレスに頻繁に遊びに行っているようだが隼人はそんなの払えるはずがなく、誘われても断ることしかできなかった。
そんなある日、母が急病で倒れた。なんとか一命はとりとめたものの、入院が必要であった。入院の費用はかなり高いようで、母は頭を抱えているようだった。
入院しなければ次いつ倒れてしまうかわからない。命に関わるかもしれない。しかし入院費用をまかなえるような貯蓄はない。俺に何もできないのが悔しかった。
バイトをすることも考えたが母の看病と家事などで忙しく、とてもそこまで手が回らない。母は「お前がやりたいことをやればいい」というがとても放っておけない。
もう何年も前に発売された古型のパソコンで、自分でも時間の合間をぬってできる仕事を、調べて見た。色々なサイトを見てみたがあまりピントこない。だんだんと夜が暮れ、眠くなり疲れてきた。
その時ある広告が目に止まった『和室で過ごすだけで300万!』とデカデカと書かれた派手な広告だ。「300…万」母が10ヶ月入院できるくらいの金額である。
カーソルをその広告に合わせてクリックくると、サイトに飛ばされた。『住所を記入するだけで登録完了!あとは寝てると勝手に通勤!』最初は全くバカバカしい。そんなことあるわけがないと思ったが、「もしかしたら…」という気持ちや好奇心。疲れもあったのかもしれない。
ついつい登録してしまった。その後登録したことなど忘れ、普段どうりの日常を過ごし、日課となった母のお見舞いにもいった。
疲れ切った隼人は布団で横になり眠りについた。
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