(真摯に) 言葉を紡ぐ

@tonari0407

向上心に苦しむ

 私は2022年4月7日から執筆を始めた物書きの初心者だ。執筆5ヶ月目になった現在も、自己満足のために書く素人だからペンネームはない。


 執筆は1年続けるがその後はわからない。


 これから私がここに置いていく言葉達は、私自身を奮い立たせるための文章の羅列。


 それ以上でもそれ以下でもない。


 ただこれから、もっと上手く書けるようになりたいからここに言葉を置いておく。



 ◇



 流れるように物語が紡げなくなったのは、執筆を開始して2ヶ月過ぎた頃だった。

 2ヶ月で34万字。そのこと自体は褒めてあげたい。1日で1万5000字書けた日もあった。息をするように自然に書いていた。


 ある日、登場人物が私に語りかける。


「ねぇ、私の気持ちわかってくれてる? 」


 言葉が出なかった。その返事としての物語の続きが書けなくなった。

 自分の作品を読み返して、読みにくさに気づく。頭の中でスムーズに読めないのだ。


 これではいけない。


 私は改稿作業を進めつつ、勉強も兼ねて他の方の作品を読むようになった。


 面白いものは沢山あった。

 楽しんだ。感動した。嫉妬した。

 自分の未熟さを痛感した。


 私も上手くなりたいと思った。


 だって、私は自分の作品が大好きだから。

 私の頭の中にあるその魅力を、素敵な作品にして読んだ人に好きになって欲しいから。



 そこから『楽しく書く』を目標としてきた私にとって辛い日々が始まった。


 つい数日前に改稿した文章でも、読み返すと粗に気づく。それが永遠と繰り返される。


 最初に楽しく書けていた文字の山は、私にとって何の意味を持つのだろう?

 絶対に否定はしない。でも、恥ずかしく思う自分もいる。


 ダメだ。逃げちゃダメだ。


 アニメの主人公のように自問自答し、もがき苦しむ。それから私は奮闘した。


 自主企画を開催し、読んで感想を書く。

 勇気を出してレビューしてみる。

 長編が進まない分、短編で気分転換する。

 ストレスは執筆で発散する。

 色々なジャンルや文体にチャレンジ。

 エッセイや創作論を読み漁る。

 自分と向き合うためにエッセイを書く。

 本音感想企画に参加する。

 感想を受け止め、作品を改稿する。

 最近はお題企画にも挑戦している。


 考えられる全てを試した。



 そして、スランプから3ヶ月が経過した現在も私は悩んでいる。


 解決の糸口は見えてきた。

 長編も近々再開できそうだ。

 毎日真剣に執筆に向き合っていることに嘘はない。


 だけど……

 勉強すればする程、自分に足りないものが見えてくる。作品に意識して気持ちをこめ始めた分、読者に伝わらないことの悲しみは増した。


 私が過剰に悩む理由、それは相手がいるからだ。


 拙い私の作品を、宇宙のようなネットの中から見つけて読んでくださる方がいる。


 きっと『楽しい読書時間』を求めている。


 辛い仕事、つまらない勉強、終わりない育児。過酷な現実の『娯楽』に私の作品を選んでくれたのだ。


 そのことに感謝の気持ちがある程、作品の質で応えられない自分が悔しい。


 時間の無駄にならなかったか?

 ガッカリしたのではないか?

 不安に襲われる。


 元々理系だ。数字が好きだ。

 物事に意味を求めたがるクセもある。

 真面目な性格も、自分の首を絞めている。

 ポジティブに憧れるネガティブだ。

 心を掘り下げた先には明るさはない。


 きっと物書きには向いていない。



 それでも、私は読者に何かを伝えたいのだ。その気持ちは本物だ。


 それは、楽しさだったり、優しさだったり、悲しみだったり、気づきだったりするかもしれない。


 作品にこめた100%の気持ちが、こぼれることなく届くようにしたいのだ。


 単なる気持ちの押しつけで、そこに面白さはないかもしれない。


 私は未だに自分のために書いている。


 だから自作を「読んで! 」なんて言わないし、私に対して読み返しはしなくていい。


 ただ、純粋に読書を楽しんで欲しい。



 第1読者は作者である自分。

 そのときの全力で、私は書いて読むことを楽しんでいる。書く理由はそれで十分だ。


 だから、苦しいけど書きたいのだ。

 その上で、我が儘だけど何かを伝えたいのだ。私の『好き』を好きになって欲しいのだ。そのために投稿するのだ。


 頭の中の世界を表現するために、すべきことは山ほどある。毎日悩みはつきない。


 楽しさの先に見つけた向上心は、私に創作の苦しみを教えてくれた。


 拙作を読んでくださった方への最大限の感謝を胸に、今日も私は真摯に書きたい。



 ネガティブなこの文章を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

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