転がる音に愛を
久しぶり
って言っても、君の時間は僕の時間ほど
ゆっくりは流れていないのかもしれないね
今日は君に伝えたいことがあって
ここまで来たんだ。
「ごめんね」とか、「ありがとう」なんて言葉じゃなくて
ましてや「君が好きだったよ」なんて感傷的なことを
言いたいんじゃないんだ
ただ、君がくれた世界が美しかったことを伝えたかった
どうか、迷惑じゃなければいいと思う
ただ、世界が美しかったんだ。
いつだったか、話したっけ?
僕が旅人になれていたら、
大きな帽子をかぶって髭を生やして
いや、違うね。
僕に強さがあったなら、
小さな家に、景色がよく見える窓を付けて
そこから毎日、君に挨拶したかったんだ。
君が僕に気が付けなくなっても、
この話は君だけの物語になるよ。
そういう事を伝えたかったんだ。
本当に、君が居ない人生に、何の価値があるのか
そんなことばかり考えてたけれど
君が見せてくれたものは、今もまだ忘れていないから
ただ、綺麗だったことを、もう一度伝えたかったんだ。
なんど花を手向けても、何度花が枯れても、また君に恋をしているから。
【フリー台本】お芝居系・ファンタジー 山羊の卵 @izo_siymu
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