第48話 無力
アルバレス騎士学園の生徒、ロイド=シグルズとの一悶着ひともんちゃくがあった日の翌日。
シオンは普段と変わらぬ学園生活を送り、放課後、個別提出の課題を担当の先生のもとへ提出しに行った。
そして、提出後に自身の寮へ帰る途中の事。
「(ん……、あれ)」
廊下を歩きながら、道すがらシオンの視界に入ったのは見覚えのある女性の後ろ姿。
白衣と綺麗な亜麻色の長い髪から、シオンの担任のリナ・レスティアである事が一目で認識出来た。
どうやらレスティアは重たい荷物を両手で持って運んでいるようで、どこか不安定な足取りで廊下を進んでいた。
シオンはレスティアに手を貸す事を即決し、彼女の元へ駆け寄ろうとした。
すると、その直後。
「……っ!?わっ……!」
「(……!?危なっ!)」
レスティアは前に出そうとした足を躓つまずかせ、重い荷物と共に大きくつんのめった。
「(───
「───ぅ、……あれ?」
勢いよく地面に衝突する事を覚悟したレスティアだったが、思わずギュっと瞑った目を開くと、倒れ込んできたレスティアを正面から支えるようにして、シオンが荷物と彼女を受け止めていた。
「へっ……? あ、あれ!? ク、クロサキ君……!?」
何もない場所から突然出現したとしか言えないくらいに、忽然と姿を表したシオンに対して戸惑いを見せるレスティア。
「大丈夫ですか、先生?……っと、重いですね、これ。俺が持ちますよ。植物学準備室までですか?」
状況が掴めずにいるレスティアの事などお構いなしに、シオンはひょいっと彼女の持つ荷物を持ち上た。
「あっ、いや、そんな、悪いですよ……! クロサキ君、大丈夫ですよ、私、持ちますからっ!」
わたわたと慌てふためくレスティア。
「……これ、中身は土か肥料の類たぐいですかね?」
「えっ、あ、そ、そうです」
「それじゃあ、俺に運ばせて下さいよ。こんなに重い荷物、も・し・万・が・一・先生がこけて中身をぶちまけたりしたら、大変ですから」
「……っ、ぁ……」
涼しげながらも、どこか悪戯っぽい笑みを薄く浮かべたシオンに対して、レスティアは言葉を失った。
つい直前に、まさに盛大にずっこけそうな所をシオンに助けられた手前、レスティアに反論の余地はなく、ただただ気恥ずかしさで顔を赤らめるばかりだった。
「そ、それじゃぁ……、お言葉に甘えさせて貰いますね……。有難う御座います、クロサキ君」
「いえ、気にしないで下さい」
レスティアが俯きがちに弱々しい声でお礼を言うと、シオンはそれに涼しげに答えた。
………
……
…
「どこに置きましょうか」
「あっ、床ゆかで……!そこの床に置いて貰って大丈夫ですっ」
シオンは、レスティアの荷物を植物学準備室の床にゆっくりと降ろした。
「クロサキ君、さっきは転びそうなところを助けて頂いて、本当に有難う御座いましたっ!それに、重たい荷物も運んで頂いて、とても助かりました……!」
「お力ちからになれて良かったです。じゃあ、俺はこれで」
「──あっ、待ってくださいっ!」
「?」
ペコリと頭を下げて植物学準備室を後にしようとしたシオンに対して、レスティアは彼の制服の袖をきゅっと握って引き止めた。
「あの、クロサキ君に差し上げたいものがありますので、少しお時間良いですか……?」
「?……ええ、構いませんよ」
「良かったです……!じゃあ、すぐに……、あっ!その前に紅茶でも淹れますね!重い荷物を運んで大変でしたよね、ゆっくり座っていて下さいっ」
「有難う御座います」
言うと、レスティアはわたわたと慌しくテーブルを片付け始めた。
よっぽど熱心に研究を進めているのか、普段は良く整頓されているレスティアのテーブルは資料やメモ用紙で溢れていた。
「時間はあるんで、そんなに慌てなくても大丈夫ですよ」
「あ、あはは……、お見苦しい所をお見せしました……。どうぞ……っ」
テーブルの上を整理し終えたレスティアに促され、シオンは軽く頭を下げながら着席した。
レスティアは鉄製のポットに飲料水を注そそぎ、容器の中に茶葉を入れた後、ポットを魔法陣の描かれた魔術媒紙の上に置いて加熱魔術を使用した。
紅茶が沸いた事を確認すると、レスティアはティーカップに紅茶を注つぎ、クッキーを乗せた皿と一緒にシオンの元に運ぶと、テーブルを挟んで彼と対面するように椅子に座った。
「お待たせしましたっ、どうぞ」
「有難う御座います。……あれ、いつもと香りが違いますね」
レスティアの作業を手伝う際、何度か紅茶を振舞われた事のあるシオンは、これまでと違う香りに気が付いた。
「そうなんですよ!今日のは私が育てた茶葉で、疲労回復の効能があるんですっ」
「香りも良いですし、美味しいです」
紅茶を一口飲んだシオンが薄く笑みを浮かべると、「それは良かったです……!」と、レスティアも嬉しそうな笑顔を見せた。
手作りの紅茶を飲むシオンを無意識にニコニコと見つめ続けてしまっていたレスティアだったが、「あ、そうでした!」と、思い出したかのように席を立った。
「あの、クロサキ君。これ、良かったらどうぞ……っ」
ごそごそと室内の物を漁った後、レスティアは高さ30cm程の紙袋を持ってきた。
「ああ、さっき言ってた……。何です、これ?」
「頂き物の桃と、私が調合した魔力回復ポーションです」
紙袋の中身は、二つの桃と瓶詰めの液体だった。
「俺が頂いて良いんですか?」
「はいっ、是非シオン君に貰って欲しいです!」
「嬉しいです、有難う御座います」
「いえ、いつもシオン君にはお世話になっていますから!あ、良かったら今度、ポーションを飲んだ効果を教えて頂けたら嬉しいです!」
「ああ、なるほど。生徒を使った人体実験て訳ですね」
納得がいったように、シオンは真顔で言い放った。
「……っ!?ち、ちち違いますよ!!誤解です!!そんな訳ないじゃないですかっ!」
シオンの発言に心底驚いたようにぎょっと目を見開くと、必死に首を横に振ってそれを否定するレスティア。
「すみません、冗談です」
尋常じゃなく慌てふためくレスティアを見て、シオンはクスッと笑った。
「も、もうっ……! 年上をからかって遊ばないで下さい、クロサキ君……!」
自身がまんまとからかわれていた事を理解し、耳を赤くしながら、頬を膨らませて説教するレスティア。
しかし、怒るレスティアとは反対に、シオンは安心したように微笑んだ。
「………良かったです」
「へ……?」
予想外のシオンのリアクションに呆気に取られたレスティアは、ぽかんとしながら彼に尋ねた。
「良かったって……、何がですか?」
「……今朝、何だか先生が酷く落ち込んでいるように見えたのが気になってて。けど、元気な先生が見れて良かったです」
と、シオンは微笑んだ。
「ぇ、ぁ……」
口が半開きのままフリーズしたかと思うと、直後にレスティアは勢い良く立ち上がり、シオンに背を向けるように後方へ振り向いた。
「?」
「(ど、どうしよう……っ。自分でも真っ赤になってるのが分かるくらい、顔が熱い……っ)」
自分でも変な行動を取っているとは十分理解出来ていたが、真っ赤な顔を見せる訳にもいかず、レスティアはシオンに向き直れずにいた。
「大丈夫ですか? 先生?」
突然背を向けて無言になったレスティアに、心配の声を掛けるシオン。
「……!あ、は、はいっ、大丈夫です!」
全然大丈夫ではないものの、背を向けたまま返事をするレスティア。
流石にこのまま背を向け続けるという訳にもいかないので、彼女はバクバクと高鳴る心臓を落ち着かせる為に何度か大きな深呼吸を行った。
「………?」
「すぅー、はぁー……、すぅ……。ふぅ……。……あ、あはは、何だか、急に深呼吸がしたくなりまして……っ」
少しだけ落ち着きを取り戻すと、まだ僅かに顔の赤みを残しながらも、レスティアは意味不明な言い訳をしながら再びシオンと向き合うように椅子に座った。
「大丈夫ですか? 先生」
「え、ええ! 何でもありませんよ、大丈夫です……!」
パタパタと手を仰いで顔に風を送るような動作をするレスティア。
「それなら良かったです。今朝から、ちょっと心配だったので」
シオンのその発言の後、レスティアは僅かに表情を曇らせた。
「……今朝……。そう、ですか……」
そう言われる事に、レスティアは心当たりがあった。
何せ、今年で学園を解雇される可能性が大きい事を昨日知ったばかりのレスティア。
まだ、到底気持ちの整理など出来てはいなかった。
「……昨日、何かありましたか?」
「!」
まるでレスティアの心を覗いたかのように、シオンは核心を突いた質問をした。
「い、いえ、その……、何もない……と言う訳ではありませんけど、でも、大丈夫ですっ。きっと、すぐに気持ちに整理も付く筈ですから……!」
焦って誤魔化しそうになったものの、心配してくれる生徒に嘘を吐くのも気が引けた為に、そのように気丈に答えたレスティア。
「……そうですか。変に心配してすみません」
と、シオンは軽く頭を下げた。
すると、それを受けたレスティアは胸の前で両手を左右に振りながら答えた。
「い、いえっ、、私の事を気遣って貰えて、その……、凄く、嬉しかったです……っ。有難う御座います、クロサキ君」
「本当に問題ないようであれば、何よりです」
お礼を言うレスティアに対して穏やかな口調で応えると、シオンはまだ暖かい紅茶に口を付けた。
それに続くように、レスティアも自分で注いだ紅茶を飲みながら、ポツリと呟いた。
「クロサキ君は、本当に優しい人ですね……」
「どうしたんですか、急に」
「いえ……。ただ、クロサキ君のような素敵な生徒に出会えて、本当に良かったなぁ、って……」
そう言うと、「それだけでも私、ここの教師になれて良かったです」と、レスティアはどこか満足気な笑顔を浮かべた。
「…………」
それを見たシオンは、真剣な口調でレスティアに質問をした。
「───もしかして、学園を辞めるんですか?」
「………っ!!」
予想だにしなかった問いを受けて、一瞬身体が強張り、手元のティーカップから紅茶を溢しそうになるレスティア。
「えっ?ど、どうしてそう思ったんですか?というより、そんな事ないですよ、私は、学園を辞めたりなんか……」
慌てて誤魔化そうとしながらも、動揺を隠し切れないレスティア。
言い逃れる言葉を考えながら目を泳がせていると、ふと、真正面のシオンの顔が視界に映った。
「………っ」
彼は、とても真剣で、そして心配そうな目をレスティアに向けていた。
「……………」
レスティアは、暫く無言で俯くと、そのままポツリと口を開いた。
「………はい。……もしかしたら、私、この学園を辞める事になるかも、知れないんです……」
レスティアは、か細い声でそう言った。
まだ生徒達には知らされていない内示。
それを学園の許可なく生徒に教える事はあまり良くないとは思いながらも、彼女は本当の事を話した。
嘘を並べようとした時にレスティアの脳裏に過ったのは、以前、自分が本当の思いを言わなかった為に悲しそうな顔をさせてしまった両親の姿だった。
自分の事を真剣に心配してくれているシオンに対して、レスティアはどうしても嘘を吐く事が出来なかった。
静かに話を聞くシオンに対して、レスティアは昨日の学園長との話の内容を伝えた。
『今度の騎士学園との対抗戦で勝利出来なければ、今年で学園を解雇される』、と。
「……そうだったんですね。……すみません、そんな内々の話をさせてしまって……。俺に教えてしまうのはマズい話でしたよね」
「いえ、良いんです……。クロサキ君にはこれまで沢山力を貸して貰っていましたから。今に思えば、クロサキ君に話すのはむしろ筋だったのかな、なんて思います」
「いや、そんな事は……。まぁでも、もう話は聞いてしまいましたし、そういう事にしましょうか」
「はい、そういう事でお願いします……っ。でも、この話は他の生徒には……」
「分かってます。言いませんよ」
「良かったです。まぁ初めから、クロサキ君の事は信頼していますけどね」
ホッと、レスティアは安心したように微笑んだ。
「……でも、そうですか。もっと深刻な話かと思いましたけど、そういう事なら心配する必要もなかったですね」
と、シオンはあっけらかんと言い放った。
「?」
彼の発言の意図が上手く汲み取れず、疑問符を浮かべるレスティア。
それを見たシオンは、なおも平然とした様子で続けた。
「だって、対抗戦に勝てば先生はこれからも学園にいられる訳ですよね?」
「そ、それは、そうですけど……っ」
「だったら、何の心配もいらないじゃないですか。今年は、絶対魔術学園うちが勝つので」
と、シオンはさも当然のように言い放った。
「……えっ、え?そうなんですか……!?」
「ええ。何せ、アルフォンス=フリードとエリザ・ローレッドがうちの代表ですからね。あいつら半端なく強いですから、間違いなく勝ちますよ。それで、残りはたった1勝。他は4年の序列1位から3位の人らが出場するようですし、負ける方が難しいですよ」
シオンは、堂々と言い切った。
「え……あ……」
彼はしれっと言ったが、実際のところ、魔術学園が勝つ確証があるとは言い難い。
しかしそれでも、彼の言葉を聞くと、レスティアには不思議と負ける要素が全く無いようにさえ思えてきた。
魔術学園が勝つ可能性は薄いとばかり考えていた為に、彼の言葉の影響で突然考え方を大きく変えられ、脳の整理が追いつかずに茫然とするレスティア。
そんなレスティアの様子など気にする事なく、シオンは一人で続けた。
「と言う訳で、先生が学園を辞める事を心配する必要なんて無い訳ですよ。良かったですね。レスティア先生のこれからの益々のご活躍に、乾杯っ」
と、シオンは微笑みながらティーカップを掲げた。
「は、はは……っ。ふふふっ。何だか、落ち込んでいた自分が愚かに思えて来ました……!そうですよね!うちの生徒達は、勝ちますよね!有難う御座います、クロサキ君!」
茫然とした状態から、次第に笑みを溢してそう言うと、「かんぱいっ」と、レスティアも軽くティーカップを掲げた。
───本当に、有難う御座います。……クロサキ君。
……先程まで影を落としていた筈のレスティアの胸の内は、気が付けば希望に照らされているようだった。
◆ ◆ ◆
───放課後にレスティアと植物学準備室で過ごした日の、深夜。
「─────ハァッ……ッ、ハァ、ハァ……ッ!」
いつものように、寮の裏庭で過剰な鍛錬を行っては魔力切れを起こし、地面に膝を付きながら激しく息を切らすシオン。
限界加速の反動で肉体の自由が殆ど効かないにも関わらず、疲労回復ポーションと魔力回復ポーションを無理矢理飲み込み、十分な休息も取らないままに立ち上がった。
未だ直前の魔力切れの影響で意識を切断されそうになる程の激痛が全身に走っているが、シオンはそのままもう一度限界加速を発動し、模擬刀を振るった。
しかし、当然そんな状態で限界加速を維持出来る訳も無く、直ぐに再び魔力切れを起こし、今度は身体を支える事も出来ず、どしゃっと、勢い良く地面に倒れ込んだ。
「くッ……、が…ぁ……ッ」
常軌を逸した激痛を耐え凌ぐように、彼は歯を強く噛み締めた。
シオンがオーバーワークを行うのは珍しい事ではなく、むしろ、それが日常。
本来であれば、一度の魔力切れでさえ命に関わる程の危険な状態。
そんな魔力切れを何度も繰り返し超回復によって魔力を鍛え上げるシオンは、最初からまともではない。
だが、まともでない彼にしても、この日のオーバーワークっぷりは流石に異常であった。
この日の彼は、まるで自・分・に・罰・を・与・え・る・か・の・よ・う・に・鍛錬を行っていた。
一体、何が彼をそこまでさせるのか。
その原因は、"無力な自分に対する怒り"だった。
「(────クソッ……!!)」
上手く力の伝わらない拳を握り締め、行き場のない怒りをぶつけるように地面を叩くシオン。
「(何が、『今年は絶対魔術学園うちが勝つ』だ、クソ野郎が……ッ!!そんな確証、一体どこにある……っ!!)」
彼は地面に顔を引きずりながら、両手を支えに上体を持ち上げる。
「(あんな気・休・め・を言う事しか出来ない自分に、死ぬ程腹が立つ……)」
彼の脳裏にこびりついて離れないのは、放課後のレスティアとの会話だった。
レスティアを元気付ける為に言った彼の発言は、何の根拠もない気休めに過ぎないと、彼自身が一番良く理解していた。
国が学園に対する援助を継続する条件が「目新しい研究成果を挙げる」といった内容であれば、シオンはレスティアの授業の準備を手伝う等して「レスティアが多くの時間を研究に費やせる環境を作る」、といった形で協力する事が出来る。
しかし、「騎士学園との対抗戦で勝利する事」が条件となれば、シオンの力が及ぶ事は有り得ない。
既に対抗戦の代表選手は決定している。
もし仮に代表の枠が空いたところで、対抗戦の代表選手が教師からの推薦形式である以上、どの道シオンが代表になる事はない。
また、万が一シオンが代表になったとて、相手は騎士学園の代表選手。
有効打の数を競う競技ならば可能性はあったかもしれないが、実際に行われる試合はその類のものではない。
対抗戦で使われる防具は選手の魔力に合わせた耐久力に設定されており、その耐久値を先に削りきった方の勝利となる試合形式となっている。
故に、もし仮にシオンが代表として騎士学園の生徒と戦ったとしても、シオンの魔力が尽きない内に相手の防具の耐久値を削り切る事は不可能だろう。
つまり、シオンが出場するにせよ、しないにせよ、どの道彼かれが対抗戦で白星を挙げることは不可能であると言わざるを得ない。
気丈に振舞うレスティアがどれ程の悲しみを抱いているか、シオンには痛い程に分かった。
しかし、彼は本当の意味で彼女を悲しみから救う事は出来はなしないのだ。
「(下手に期待を抱かせて、負けた時に一体どう責任を取るつもりだ……?馬鹿か、俺は……)」
目の前で助けが必要な人がいるのに、今回ばかりは、彼はただ他の生徒が闘うところを黙って見ている事しか出来ない。
どこまでいっても、彼は他力本願であるしかない。
「(俺は……)」
「───無力だ……」
暗闇の中、彼は低く小さな声で呟いた。
「(そうだ、絶対に忘れるな。今の自分の"弱さ"を……。目の前の人を助ける事が出来ない、自分の"無力さ"を、胸に刻め……ッ)」
───今回は、俺の力は及ばない。
───でもいつか、助けが必要な人を、俺にしか助けられない人を、必・ず・助ける事が出来るように、強くなれ。
───無力な自分を噛み締めろ。
───明日の自分の手が、少しでも誰かの助けになれるように。
───ただひたすら、強くなれ。
シオンは立ち上がり、再び刀を強く握った。
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