舞台は亜人が存在する世界線。凶悪な亜人の犯罪者を捕まえる特殊部隊に所属する主人公もまた亜人である。しかも絶滅危惧種のヴァンピール――なんてワクワクする世界だろう。
だがワクワクな世界観はちょっぴりダークだ。ホテルで暴れる亜人と戦っている最中には「善処するけど皆さんの命の保証はありません」と無慈悲な避難誘導が流れる。相手が凶悪なだけに現場はかなりハード。死傷者だってゼロでは済まない。その辺もリアリティが効いていて、良い。肌がピリピリする緊張感と、個性の塊のようなキャラ達の掛け合いのギャップに一瞬で堕ちました。
ところで皆様、イケメンは好きですか?私は大好きです。たくさんいればいるほど良い。本作の主人公の京夜くんはヴァンピールの亜人ということもあり昼間はダウナー系の男子高校生をしています。そして同僚の累くんは京夜くんの保護者と言うか、女房役というか……はい、私のド好みのタイプですね。それに白金の貴公子アリスくんはもう、好き(笑)多くは語りませんがとりあえず読んでほしいです、読めばわかります!
そんな三人は夜は凶悪犯逮捕に明け暮れ、昼間は麗しの男子高校生。この表裏のコントラストが良い。世界観が暗くなり過ぎず、そしてWEB小説のポップな感じも出ていて楽しい!私も三人を眺めながら白米がぎっしり詰まったお弁当を食べたい人生だった……。
そんな中、学校に凶悪犯が現れます!亜人であることを隠して学校生活を送る三人がどう対処するのか、迫力の戦闘シーンも見ごたえがあります!これで2万字とか嘘でしょー!?
不穏なタイトルは1話を読めばわかります。そして読者に「続きを読みたい」と思わせる引き際も見事でした。もっともっと深く掘れそうなほどの奥行きを残しながら、キャラの魅力を余すところなく表現する技量、見習いたいですね……。
素敵な推しメンをお探しのそこのあなたにオススメしたい一作です!ぜひご一読ください!
主人公の生き方を決めたもは、タイトルの通りの言葉なのだろう。
人ならざるものと交わった結果生まれた亜人のいる世界で、平和のために戦う。妹のために、穏やかな日々を守るために。
高校生活という青春を送りながら、それでも夜は番犬として。主人公と同じ班に所属する二人と主人公が良いチームで、これもまた守りたいものなのだろう。学校生活の彼らも戦う彼らも、どちらも魅力的だ。
きっとこれからも大切な今日とそこに続く明日を守るために戦い続けるのだろう。そして終わりの瞬間に振り返り、ああ守れたと笑える生き方であれば良い。
愛する妹と仲間と上司に囲まれて、穏やかに眠れる日々であれ。まだまだ彼らの活躍を見たいと思える作品でした。
ぜひご一読ください。