6章163話 パーティー結成
聖火祭も終わってあの慌ただしくも楽しかった日々は終わった。とは言え、静かになったかと聞かれるとそれは否で。
「聖火祭ご苦労様。本来なら他校との戦闘を通じてレベルアップを図りたかったんだがしょうがない。生徒の中には先輩から聞いているものもいるだろう。……学内ダンジョンに挑戦してもらう!」
先生から告げられた新たな授業、ダンジョンアタックによってクラスは聖火祭とは違った雰囲気で浮き足立つ。
「ダンジョンに入ってもらうのは一週間後、それまでに各々でパーティーを作ってもらい申請しろ。最大人数は4人だ、以上」
先生はそう伝えてクラスから立ち去った。つまり、今からパーティーを決める争奪戦が起こる。
◆
「まぁ、このメンバーだよねぇ」
結局、俺たちはいつもの7人で集まっていた。だって、4人だと誰か入れる枠は一人しかいないしな。
「それでパーティーはどう分けるの?希望とかあるかな」
「私と千奈、マナスは一緒のパーティーを組むことにしたわ。せっかくだから一緒に戦ってみたいのよね」
「と言うことは考える必要もないわけか。雪、綾、俺、澪で組むで良いよな?」
「もちろん!よろしくね司くん!!」
澪すっごい喜んでるなぁ、まぁパーティーの役割的にもちょうど良いか。俺と司で前衛、綾と澪が後衛で行けばいい。
「そうなると……怜ちゃんのパーティーのあと一人を決めないとだよ。当てはあるの?」
「えぇ、実はもうお願いしてあるの」
「僕が入ることになったんだ。よろしくね」
「鬼灯さん!なるほど、貴方が一緒なら心強いですね!」
本戦でも戦ったあの強さなら頼りになる。それに一人くらい男がいた方がいいと思う。若干ハーレムになっている気はするけど女子から逃げてた鬼灯さんなら下手なことはしないだろう。
「そう言うことならさっさと申請行こうぜ、周りの目がそろそろキツくなってきたんだけど」
うちのパーティーの黒一点が耐えきれ無さそうに抜かしてるから移動するか。考えてみたらこっちも男、司一人か。
職員室まで行き、パーティー申請書を書いて先生に提出する
「まぁ、例年通り選抜メンバーで固まるのは予想できたが…………見事にハーレムだなぁ。襲うなよ?」
「「襲いませんよ!?」」
「?何故符堂が反応するのかわからんがまぁ、頑張れ。特に龍堂は背中刺されないようにな」
「むしろ俺の背中を貫ける攻撃なら受けてみたいですね」
先生の真剣なんだか冗談なんだかわからない話を聞いて昨日のイベントは終わった。
ここ数日緋真ねえは何やってるんだか。
「このあとどうする?俺と澪は部活に顔出しに行くが。雪も来るか?」
「いや、雪華の事もあるし緋翠とヘパティックに行ってくるよ。」
緋翠と一緒に戦う事もあるだろうからダンジョンに入る前にメンテはしていきたい。
「私も少し行きたいところあるからここで別れるね、また明日!」
綾は一人、何処かか行ってしまった。多分、ダンジョンに向けての特訓か何かをするんだろう。
「じゃ、私も行くよ。また明日!」
俺はみんなと別れてヘパティックに行くために支度をする。
「緋翠、これからヘパイストスさんのところに行くからお出かけするよ」
「おでかけ!?やったー!」
最近、学校以外の場所行ってなかったからなぁ。そろそろ外も見せてあげないとな。
支度も終わって学校の外に出ようとすると緋真姉の姿が見えた。
「おーい、緋真姉!久しぶり。何やってるの?」
「あ、雪。今から外に行くの?」
「うん。来週、ダンジョンに入ることになったから雪華のメンテを今から頼みに行くところ。緋真姉は今何してるの?」
「雪も関係者だから一応伝えとくわ。化紺さんが持っていた黒真珠のアクセサリーは覚えてるわよね」
「もちろん、忘れるわけない。アレがどうしたの?」
「……………盗まれたの。」
今、緋真姉はなんて言った?盗まれた?あの呪術師が作った呪いの呪物を盗まれたと言ったのか!?
「魔道具研の魔力識別魔道具で警備していたのに警報すら鳴らずに盗まれたわ。だから、気をつけなさい雪。まだ、あの事件は終わってないかもしれない」
後書き
しばらく毎日投稿をお休みしていてすみません!6章はかなりの超大作なので時間をもらいました。これからほぼ毎日投稿するのでみてください!
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